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第16話
甘ったるい香りが鼻腔から入り込み、ギラギラとする蒼い双眸に見据えられて、脳が沸騰するような感覚に、カムルは惑う。
前の時のように意識が混濁してはおらず、サルバトーレが与える刺激に反応してしまう身体の状況もまざまざと感じ取れた。
「ーーッふッあ、あッ……ああ……王よ……ッみ、みな、で……ッみないで……くださっ、い」
美し過ぎる蒼い眸が凝視しているのに、耐え切れずにカムルは首を左右に振って隠せない身体を少しでも逃すようにみじろぐ。
「ならば……ずっと見ていてやろう。恥じらう貴様にとても昂る……。そもそも、それが貴様の罰なのだからな」
囁かれる言葉の内容にそぐわない甘い口調に、芯からぐずぐずに崩れてしまいそうになる。
オメガに成るということは、この様なことなのだろうか。
それまでの経験もなにもない彼にはその是非は分からなかったが、これが罰だと言うのであればなんとも甘い罰なのだろう。
「あ、ああっ、はぁ、ッう……っく」
「気持ちが悦いのだろう……さあ、正直に口にしてみろ」
「あ、あふ……ああ、きもち、イイッ……ああ、いい、いいッ」
本能に任せるまま、脚を開いて腰をゆっくりのくねらせて、言葉をのぼせた唇に微笑みを浮かべる。
全身から熱がぶわっと高まり肉茎を受け入れた、内側がじくじくとした疼痒とともに開いていくのを感じる。
開いた内側に刺激が欲しいと浅ましく腰をあげて押し付ける。
「……ッくッ……ああ……ああ、お、おう……よ……おく、ッくおく、にッ……」
「漸く我らが雌として自覚したか?奥に種を撒いてほしいのだろう……さあ、我をサルバトーレと呼べ」
サルバトーレはカムルの身体を反転させると、ずくりと奥まで貫き腰を掴んで揺さぶる。
「あっ、ひっ、ぐああああッあ、アアッ」
サルバトーレの性器の根元に生えた刺が突き出ていて、ぐいとそこまで押し込まれあまりの苦しさにカムルは寝具を引き掴んで逃れようとするがびくとも動かない。
「奥にほしいとねだったのはそなただぞ」
「ーーんぐッあああ……サル、バトーレっ、ああああッ……ああッ」
ビシャビシャと貫かれる度に、カムルの雄芯からは白い液体が溢れて飛び散る。
「よがり声も低くて我らの唸り声のようで、心地がよい」
鈴を転がすような笑いをこぼして、サルバトーレはカムルの腰に腕を回して、ドクドクとその胎内へと精を吐き出す。
方向を変えて数十分間の長い時間、余りの快感にもがくしかないカムルの身体を抱えて放出した。
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