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第14話 監視する者 ※
先生は大きく息を吐いた後、僕の中からずるりと男根を引き抜いた。先生が中で吐き出したものが、とろりと僕の後孔から垂れる。
四肢が震え、心臓がどくどくと鳴っている。身体中ぐったりとして力が入らない。
先生は、自身の処理をした後、タオルで僕の身体を拭いて下着とズボンを履かせ、めくれ上がった上着を下ろした。そして僕の背中に手を入れて、ゆっくりと起こす。
まだ朦朧とする意識で、先生が言った言葉を思い返す。
僕は、潤んでぼやける目を瞬かせて、先生に尋ねた。
「ねぇ…、さっき言ってた昔…って……?」
先生は、一瞬目を見開いてから話し出した。
「まあ、君は覚えてないか…。俺、こんな所にいるけど、実は成瀬に仕えてる。たぶん、君が小学5、6年生の頃かなぁ…。別邸に通うようになっただろ?数回俺が送り迎えをしたんだけどね、その時にすごい可愛い子だな、と思ってね。興味を持った」
先生がニヤリと笑って僕の頰を撫でる。
僕の心臓が早鐘のように鳴り出し、目の前が暗くなっていく。
ーー別邸は……すでに闇の中にいた僕を更に絶望へと落とした場所だ。
一瞬、強く目を瞑る。ゆっくり息を吐き出して、過去へ遡ろうとしていた思考を戻す。そしてある事に気付いた。
「先生…、成瀬に仕えてるって…」
「ああ。俺はね、君の事を見張るように言われてこの学校に来たんだ。まあ、監視役だ。でも、ただ見張るだけじゃつまらないだろう?欲しいものがすぐ目の前にあるのに。漸く俺の所に来たね」
先生の目が妖しく光る。
僕は先生の目に映るのが嫌で、顔を下に向けた。
ーー監視…。あのマンションに住んでる時点で自由になった訳じゃないけど、それでも少しは…と思っていたのに。やっぱり僕は、逃げられないの?
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