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第17話 狂愛 ※
風呂場を出て、蒼一朗は僕の身体をバスタオルで丁寧に拭いてゆく。自身の身体を軽く拭いてから、抱きかかえて僕の部屋へ向かった。
エアコンのスイッチを入れて、セミダブルのベッドに横たえて、きつく僕を抱きしめる。僕も蒼一朗の背中に手を回した。彼の肌の温かさに、僕は吐息を漏らす。
少しして、蒼一朗が身体を起こし僕の胸の辺りを忌々しげに見つめて低く呟いた。
「これ…あいつにつけられたのか?」
何の事かわからず、顔を上げて自分の胸を見てみると、乳首の周りにいくつかの赤い痕があった。
…いつ、つけられたんだろう……。
「知らない……」
僕が胸を隠そうとすると、両手首をそれぞれ身体の両側に押さえつけられた。蒼一朗の顏が胸に近付いて、痕を舌で舐められる。
「あ…っ、あ…っ…んぅ……」
赤い痕を次々ときつく吸われ、ピリリとした痛みを伴って熱くなっていく。
「ここも舐められた?」
軽く乳首を摘んで聞いてくる。
「う、ん……あ…っ」
こくりと頷くと、乳首を口に含んで強く吸う。とっくに尖っていたそこを舌で叩かれ転がされる。もう片方を指でクリクリと摘まれて、腰がびくりと蠢めく。
今度は反対の乳首を吸うと、きゅっと甘く噛んだ。
「やぁ…あっ…あん…」
歯で引っ張られ、甘い痺れが全身に広がる。
蒼一朗は乳首から顔を離すと、今度は耳朶を舐めてきた。耳朶をしゃぶりながら、僕の硬く立ち上がった性器をゆるゆると扱く。僕の先走りで蒼一朗の手が濡れていく。
「んや…あ…っ、ふぅ…」
早く奥への刺激が欲しくて、腰がゆらいでしまう。
「…そう……早く…ぅ」
甘い声でねだると、耳朶から顔を離して、苛立ちの中に甘さを滲ませた目で僕を見つめる。もう一度顔を寄せて深く口付け、僕の舌を吸い上げてペロリと唇を舐めた。
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