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第26話 僕の望み ※
僕が澤井先生に初めて抱かれたあの日から、一ヶ月が経った。
今日も先生と身体を合わせた後、マンションの前まで送ってもらった。
家に入ると、まだ蒼一朗は帰って来ていないようだった。
僕は怠い腰を抑えて部屋に行き、着替えを持って風呂場へ向かった。制服を脱いで風呂場へ入る。
コックをひねってお湯を出し、頭からシャワーを浴びた。しばらくそうした後、壁に片手を突いて少し腰を曲げ、もう片方の指を後孔にゆっくりと入れる。
「んぅ…ふ…ぅ…」
少しずつ腹に力を入れて、指を曲げ内部に残った先生のものを掻き出す。でも奥の方までは届かない…。
僕は後孔への刺激で、ゆるく立ち上がりかけている自身の性器に触れないように、身体を丁寧に洗っていった。
僕が風呂場を出た時に、玄関が開く音がした。
蒼…帰って来た……。
期待で、僕の性器がゆっくり反応し始める。腰の奥がずくりと疼きだす。
両腕で自分の身体を抱きしめていると、蒼一朗が洗面所のドアを開けて入って来た。まだ身体を拭いてない僕を見て、苦笑しながら丁寧に拭いてくれた。
そして僕の顎を掬って唇を合わせ、舌を入れてぬるりと口内を舐める。チュッと音を立てて離すと、「部屋に行ってて。すぐに行く」と言って、シャツを脱ぎ出した。
僕は小さく頷いて、ゆっくりと部屋へ向かった。
ーー蒼一朗は、僕が誰かに抱かれると、その後必ず僕を抱く。でも、僕が誰かに抱かれた時にしか、僕を抱かないんだ…。
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