61 / 89

第61話 歪な関係 ※

離れに帰ってから、風呂場で何度も身体を洗って蒼一朗を待った。 後ろの孔を洗う時、切れていたのかピリッとした痛みを感じたけど、これから蒼一朗が触れるかもしれないと思うと、痛みよりもじくじくとした疼きで、後孔が震えてるように感じた。 僕は、蒼一朗の大きな薄手のトレーナーだけを着て部屋に戻った。疲れたのもあって、敷布団を押し入れから引っ張り出すと、その上に寝転んで目を閉じた。 僕はそのまま眠ってしまったらしく、髪を撫でられる感触で目を覚ました。長い時間寝てたようで、外が暗くなっている。 隣で部屋着に着替えた蒼一朗が、髪を撫でていた手を頰に滑らせて聞いてきた。 「燈、腹減っただろ?ご飯食べるか?」 僕は、蒼一朗の手に頰を擦り付ける。 「蒼…メール見た?僕、あの男の人とセックスした…挿れられたんだよ…?まだ感触が残ってる…。だから、早く消して。蒼でいっぱいにして…」 そのまま蒼一朗の腕を引き寄せて、僕の上に屈んできた彼の背中に手を回した。 しばらく蒼一朗は、僕の肩に顔を埋めてじっとしていたけど、ゆっくりと僕の身体に腕を回すときつく抱きしめ、僕の耳に舌を入れながら「わかった…」と掠れた声で囁いた。 耳に響く水音と蒼一朗の艶を含んだ声に、僕の背中がびくんとしなって、一気に身体が熱くなった。 男の人に挿れられてる間は何も反応しなかった性器が、蒼一朗の愛撫でどんどん蜜を溢れさせる。 蒼一朗は、僕と自分の服を全部脱ぎ捨てると、全身をぴたりと合わせて僕の唇にかぶりついた。僕は、口を開けて舌を伸ばす。その舌を軽く噛んで強く吸い上げ、絡めて僕の口内を蹂躙する。 「ふ…っ、んぅっ、ん…っ」 僕は甘い声を漏らして、蒼一朗の舌を追いかけた。 ちゅっと音を鳴らして唇が離れる。舌を伸ばしたまま僕の胸まで舐め下ろし、僕に見えるように乳首を突ついた。 「あっ…ん、あっ、あ…っ」 ぷっくりと尖った乳首を両方突ついた後、口に含んで舌で転がし、もう片方を指でこねる。その強い刺激に身体の奥がずくんと疼き、僕は蒼一朗の頭を抱えて腰を揺らした。 蒼一朗は一旦顔を上げて、帰りに買ってきてたのか、ローションを手に取って掌に出した。そして今度は僕の性器を口に含んで、ローションを尻の間に塗っていく。性器に舌を絡めながら指をつぷん、と挿し入れた。 「あっ、あっ…はぁ…ん…っ」 蒼一朗の指に僕の内襞が絡みつくのがわかる。切れた痛みなど全く感じなくて、早く挿れてと、彼の指を奥へと飲み込んでいく。すぐに指が増やされ、ぐにぐにと動かされた時に、いきなり僕の背中に電気が走ったような刺激を感じた。 「あっ!あっ…やぁ…っ、な…に?」 蒼一朗が、性器から口を離して僕を見る。 「ここ、燈の気持ちいいとこ。いっぱい気持ち良くなって」 そう言うと、また性器を咥えて上下に扱き、さっきの所をぐいぐいと押した。 「やっ、いっちゃう…っ、あっ、ああ…ん!」 高い声をあげて、呆気なく、僕は蒼一朗の口の中に精液を吐き出した。 彼は当たり前にごくんと飲み込んで、残りも強く吸い上げた。 強い快感にぼんやりしている間に、僕の後孔は充分に柔らかくなっていた。蒼一朗が、硬くそそり立っている彼の男根にローションを塗り込んで、僕の膝裏を押さえて丸見えの後孔にあてがう。 僕は、期待と興奮で気が遠くなりそうだった。

ともだちにシェアしよう!