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第11話
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実家に帰って一週間。正和と二人きりで会うことは禁じられ、面会は兄が同席のもとという条件が付けられた。
正和からはあの日の翌日にチャットで連絡があった。内容は純を心配して気遣うものと「強く引き留められなくてごめんね」という謝罪の文面だった。
それからは毎朝「おはよう」という挨拶と、夜になると「おやすみ」というメッセージを欠かさず送ってくれている。その時にその日の出来事を話したりもするが、それ以上の会話はなく、彼から電話がかかってくることもなかった。
兄への苛立ちは、次第に正和に会えない事への寂しさに変わり、自室のベッドに転がった純は、スマホの画面を点灯させては消してを数分おきに繰り返している。
そんなことをしなくても電話やメッセージがあれば通知音は鳴るのだが、ソワソワして落ち着かない。
いつもあんなにべったりだったのが嘘のようにあっさりした正和の態度も、純の不安を煽る要因だ。
正和はこれからどうするつもりなのだろう。いつまでこの家にいなければならないのだろう、と考えて唇をぎゅっと噛む。
(……帰りたい)
そう思うのと同時に、あの日の朝キスをして送り出してくれた彼のことを思い浮かべて、顔がかあっと赤くなる。それに伴って下腹部へ重たい熱がずくんと溜まり、中心部がゆっくり膨らみ始めた。
今まで毎日のようにしていたから、無理もない。冷えた気持ちとは反対に、体が火照って彼を恋しがるようにきゅううと疼く。
こうなってしまったら抑えることはできなくて、それは下着の中で窮屈そうに頭をもたげた。
そろそろと布団の中に手を伸ばし、パジャマと下着を少しだけ下に滑らせる。解放されドクドクと熱く脈打つそれを優しく握ってゆっくり上下に扱けば、甘い愉悦がぞくぞくっと全身を駆け巡った。
「はっ、ぁ……っ」
以前この部屋でしていたように、先端のくびれを中心に扱く。徐々に高まっていく欲求に身を任せて、背を仰け反らせ、声を漏らさぬように歯を食いしばる。
「ぁ、……ぅ」
物足りなくて反対の手のひらで先を優しく捏ねれば、ピアスを伝って鈴口にも淫らな刺激が駆け抜ける。
「ううぅ」
けれど、いけそうな感覚はあるのに極める事はできなくて、純は瞳にじわりと涙を浮かべて、恐る恐る後ろに手を伸ばした。
(まさかず、さん)
その時、スマホがヴーヴーと振動して、純はビクッと肩を揺らして固まる。慌ててティッシュを引き抜き、濡れた手を拭いてスマホを取ると、それはちょうど思い浮かべていた人からの着信だった。
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