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第7話
乱華side
よっぽどゲームに夢中なんだろうな…。楽しそうに揺れている尻尾が可愛い。耳もぴょこぴょこしてる……。
獣人と人間が共存するようになってから二百年とちょっと。いざこざも無くなった。そのため、耳と尻尾を出して獣人として生活する奴と、今でも隠して人間のように生活し、発情期や感情が高まった時にだけ耳や尻尾を出す奴と半々くらいだ。
アイツが獣人だと聞いたことはないから恐らく隠して生きているんだろうな。
「あれ〜?今日は尻尾が出てる〜!」
「アイツも俺らと同じか」
俺は虎の獣人。佑々木は、兎の獣人だ。俺たち獣人は人間と同じ生活をしているが、それぞれ人間よりも優れたものがある。
俺は夜目が効くし、佑々木は遠くの音が聞こえる。まぁ、兎なだけあって性欲も凄いけどな。
「そうみたいだよ〜。和爾が言ってたからね〜。あそうだった、和爾しばらく動けないよ〜。発情期が来たみたいだからね〜」
「そうか。お前、今すぐ帰れ。和爾の近くにいるべきだ」
「眠子と話してからね〜」
「はぁ……」
和爾は、三番目に強い奴だ。ただ、Ωで佑々木は、和爾の番だ。佑々木の番になるなんて何を考えているのか……。
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