13 / 64

第13話

夜人side あの日から一週間部屋にこもって発情期が終わるのを待った。発情期が終わり学校に行き始めてから数日。 あの日の事を思い出すと上手く言えないが罪悪感に襲われて、体調を心配して見にくる先輩を避け続けていた。 「あれ?珍しいね〜。取れないの?」 「……はぁ…。こいつに五千円取られた…。いつもなら三百円も掛からないのに〜」 ゲーセンでUFOキャッチャーをやっている。ゲームの中でも一番得意で、いつもバタバタ商品を落とすからいろんなゲーセンで出禁になった……。 ここの人達は優しい。と言うか、二千円で十個景品を落としたら "ぬいぐるみ" と交換と言うルールで遊ぶならと言う事で、出禁にならずに済んだ。 「え?嘘でしょ?何か悩み事⁇」 「うん……。運命の番が見つかった…、でも名前も知らない人だよ。発情期に入った日に抱かれたんだ。番になるのは待ってくれた。でもさ……怖くない?」 「そうだね……。相手のことを知らないと、怖いね…」 魅夜くんのバイト終わりまで待ってて、家に送って貰いながら話聞いてもらった。魅夜くんも俺と同じΩで番がいる。 「魅夜くん、今日泊まってくの?」 「うん。そうだよ〜。先生…じゃなかった…、愛さんが居ないからね。僕一人で家に置いておくの不安みたいで、翡翠に "勝手に" 連絡された…」 魅夜くんは俺の学校の卒業生で、兄の親友だ。 愛さんと言うのは俺の学校の保険医。新任で、来た時に出会って魅夜くんと番になった。 そんな魅夜くんに、番と仲良くなる為には、 どうしたらいいか教えて貰いたかったのだ。

ともだちにシェアしよう!