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第25話

乱華side 眠子と遊びに行った次の日。俺は昨日交換した眠子の連絡先からのメッセージに気づき急いで支度していた。 近くの公園に来て欲しいと書いてあったからだ。その時間まであと10分くらい。 「……あれ?…魅夜さん?」 「ごめんね〜。夜くんなら今、翡翠と居るよ。パニックになっちゃって…。記憶が曖昧なんだ…」 「記憶が曖昧って……それじゃっ…」 「昨日のことは覚えてたよ。よっぽど楽しかったんだね…。昨日一緒に過ごして、君の事を好きになったみたいだよ…」 眠子の目は、人の心を見る事が出来ると聞いた事があった…。入学して直ぐの頃で、即立ち消えとなった噂だが……。 「なぁ、もしかして眠子って人の心が見えるのか?入学して直ぐの頃、ほんと少しの間に流れた噂…」 「……ん…。そうだよ……正確には、見えないけど。彼は一目見た瞬間、その人の心の暖かさと痛み。冷たさと、鋭さを見分けることが出来るんだ。優しい人は、知らず知らずに傷ついている痛み。その痛みを相手を包み込む優しさに変える力の大きさ……。 逆に、人を傷つけても何とも思わない冷たいひとや、腹黒い人も見分けることが出来る…。 彼の心の傷は大きいからね〜…。それを包み込んで癒してくれると思う人しか彼は認めないよそんな彼に認められたんだ。お願い裏切らないであげて。彼の側で、彼を守ってあげて欲しいそれを言うために呼び出したんだ…。ごめん」 本当だったんだ……。確かに初めは運命の番だったから…。でも、昨日のお出かけでそんな事関係なく可愛いと思ったし、守りたいって思った…。 きっとこれは好きに変わるものだと思う。何故か分からないが確信していた。 「はい。俺が、眠子を守ります。俺、眠子のことを一緒愛せる自信がありますので」 「ふふっ…。それは頼もしいね。良かった君がそう言ってくれて…。後は、眠子自身の問題なんだけど…。時間がかかるかも…気長に待って欲しい…」 「はい」 魅夜さんと話していたら、なんだか眠子に会いたくなった。魅夜さんは今から戻ると言うから、俺もついていく事にした。

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