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第29話
夜人side
兄さんが家を継ぐって言ってる…。兄さんが家を継いだら俺は出て行かないきゃいけないのかな…。
先輩に抱かれながらそう思った…。出掛けて行った魅夜くんは、先輩と会ってたみたいで一緒に帰ってきた。先輩も僕の心が見えるようになってて……。
「兄さん……。俺、家でないとダメ?」
「ん?なんで〜?」
嫌われると思って不安になって…、目が合ったら "びくっ" ってなってしまった。それでも先輩は俺のことを抱きしめてくれた…。心奥底にあるドス黒いものを見ても、変わらず接してくれた……。
「家継ぐって…」
「うん。継ぐよ。でも、夜を追い出したりしないよ?残りたかったら残ればいい。乱くんと一緒に住むならそれはそれでいいし。夜……夜人の人生は、夜人自身のものなんだよ?好きに生きなさい」
「……あ、りがと…」
「眠子…。良かったな。俺はお前の好きな方でいい。無理に合わせてるとかじゃ無いぞ。ただ、お前には笑ってて欲しい」
嬉しかった……。ただ嬉しくて…。でも、俺は、先輩に好意を持ってるけど……。先輩は?先輩は俺のことどう思ってる⁇
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