50 / 64
第50話
乱華side
今日やっと眠子が退院出来るという事で、翡翠さんと魅夜さんと一緒に迎えにいった。
翡翠さんの車に乗って帰る途中、眠子と同じクラスの秋が、家で飼ってる犬に見えて思いっきり遊んでしまったのは悪かったかも知れないけど…。
「ちょっと嫉妬した……」
「ごめん、家で飼で飼ってるクロハって名前の犬に似てたんだ」
「えー……。秋、犬扱いされてたの⁇」
翡翠さんはというと、これから恋人に会うからと、俺たちを家に送り届けてから、出掛けて行ったのだった。
「翡翠さんの恋人ってどんな人だろうな」
「乱くん知らないの?和爾 春、和爾先輩の弟くんと付き合ってるんだよ?」
「……和爾 春……。和爾先輩って…もしかしなくても俺の知ってるあの和爾か?」
まさか和爾の弟と付き合っていたなんて…。いやでも今の言い方的に最近付き合い始めた感じがあるよな…。
その前に和爾の弟って、βじゃなかったか…?
それに翡翠さんもβだった…。
「うん。そうだよ」
「β同士で……しかも男…?いや、この言い方は良く無いよな。うん。ごめん、わかってるだが……。珍しすぎてつい……。そうか…、風当たり強いよな……。俺に出来ることあれば…、その時は言って欲しいな…。出来るだけ、翡翠さん達の過ごしやすい環境を作りたい」
もちろん、そんな事はどうでもいいか、αとΩの同性同士でも風当たりが強いのに、β同士となれば尚更…。辛いよな……。
「乱くんならそう言ってくれると思ってた。ありがと」
「秋も!秋も出来ることあったらお手伝いするー!」
「秋も、ありがと」
ともだちにシェアしよう!