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第7話 *

 ザワリとざわめいたのも一瞬で、すぐに、そうしよう、そうしましょうという賛同が重なる。ロンロは恐怖に泣きそうになった。 「黙れ!」  瞬間、よく通る男らしい声が白金王の口から放たれた。  大狼の威厳ある声音に、皆がヒタと押し黙る。 「……全員、ここを出ていけ」 「え……」  王が皆を見渡して命令する。 「これとふたりきりにしろ」 「まさか、……まさか、ここで……」 「ありえません、陛下、正気に戻って下さい」  白金狼は彼らの声を聞かず、唸りながらぶわっと毛を逆立たせた。するとフェロモンの香りが強烈に周囲に漂った。Ωだけでなく、その場にいた全員が、匂いに圧倒されぐらりと身を傾がせる。 「出ていかねば、噛み殺すぞ」  凄みのある声を聞かせれば、狼たちは怯えて、もう逆らおうとはしなくなった。王が扉に向かって首を振ると、一匹、また一匹と、渋々部屋を出ていく。Ω犬たちも一緒に連行されていった。  そして、最後の一匹がくわえてきたランタンを床において去ると、倉庫はロンロと王のふたりきりとなった。 「お前が私の運命か。……何と、蠱惑的で愛らしい塊」  ロンロは先程から、強い芳香にあてられて気絶しそうなほど気分が悪くなっていた。抱いて欲しいという欲望が限界を超えている。けれど、性体験のないロンロにはそれは薄気味悪い感覚でしかなかった。自分が自分でなくなってしまう。その恐怖のほうが強かった。 王は性急に近づいてくると、うずくまるロンロの服に噛みついた。あっという間に布地を引き裂いて、ロンロを丸裸にしてしまう。 「ああっ」 「発情しているな」  ロンロの身体に鼻をよせて匂いをかぐ。 「この香り……やはり他のΩとは全く違う。胸をつらぬくような切ない香りは……」  肌をべろりと舐めて、甘噛みする。ロンロはそれだけで死にそうに感じてしまった。 「ああンっ、や、あっ」 「本能の、その奥深くに訴えかける、何ともやりきれん香りだ……ああ、クソッ、交わらねば、私も死んでしまう」  前足で、ロンロを仰向けにする。すると未熟な性器があらわになった。ふるんと震えた肉茎に王が舌なめずりする。 「これだ、これこそが、私の発情をとめるただひとつの宝」  そしてパクリと大きな口でくわえこんでしまった。 「ああっ、あ、ひい、いいっ――」  いきなり食べられて、ロンロは恐怖に身体を跳ねさせた。ジタバタともがくが、王は両前足で、足のつけ根を押さえつけてくる。 「ああ、何という、やわらかな食感」 「許して、許してっ、食べないで、おいしくないからっ」  「これほどうまいものは食べたことがない」  王のざらついた舌が、ロンロの若茎にからみつく。根元から先端までじゅるりと舐められて、ロンロは腰を跳ねさせた。

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