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第18話 ロンロのもくろみ 

 自分の居室に戻ったロンロは、椅子に座って考えた。  グラングはどうしてあんなにロンロと結婚したがるのだろう。  ロンロと自分の国とどちらが大切か。そんなこと、考えるまでもないことなのに。  運命の番が、誰をも不幸にしてしまうのだとしたら。 「……いないほうがマシなんじゃないかな」  ぽつりとこぼす。番を解消するには、どちらかが死ななければならない。けれど、ロンロには自ら命を絶つほどの度胸はない。それに、自死は最良の方法とは思えなかった。きっとグラングを悲しませる。 「どうしたらいいのかな」  ない知恵を絞って考える。  運命の番は、フェロモンで嗅ぎわけられる。グラングも初めて会ったとき、ロンロのことを他のΩとは全く匂いが違う、よい香りだと言った。だったら、この匂いさえなくなれば、グラングはもうロンロに惹かれることはないのでは。 「ララレル」  隣で菓子を貪る従者に呼びかける。 「何?」 「ちょっと、考えたんだけれど」 「何を?」 「運命の番を、解消する方法。手伝ってくれない?」  そう言うと、ララレルは「何なに?」と興味津々に近よってきた。

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