18 / 28
第18話 ロンロのもくろみ
自分の居室に戻ったロンロは、椅子に座って考えた。
グラングはどうしてあんなにロンロと結婚したがるのだろう。
ロンロと自分の国とどちらが大切か。そんなこと、考えるまでもないことなのに。
運命の番が、誰をも不幸にしてしまうのだとしたら。
「……いないほうがマシなんじゃないかな」
ぽつりとこぼす。番を解消するには、どちらかが死ななければならない。けれど、ロンロには自ら命を絶つほどの度胸はない。それに、自死は最良の方法とは思えなかった。きっとグラングを悲しませる。
「どうしたらいいのかな」
ない知恵を絞って考える。
運命の番は、フェロモンで嗅ぎわけられる。グラングも初めて会ったとき、ロンロのことを他のΩとは全く匂いが違う、よい香りだと言った。だったら、この匂いさえなくなれば、グラングはもうロンロに惹かれることはないのでは。
「ララレル」
隣で菓子を貪る従者に呼びかける。
「何?」
「ちょっと、考えたんだけれど」
「何を?」
「運命の番を、解消する方法。手伝ってくれない?」
そう言うと、ララレルは「何なに?」と興味津々に近よってきた。
ともだちにシェアしよう!