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躊躇①
楼閣が夕闇に包まれ始める頃、専用の部屋へアクトに連れられた瑠夏がやって来た。
顔色は青白く、顔も強張っている。
「覚悟はいいか?」
「…はい。」
昼間のうちに、先輩格のイルマから粗方後孔の洗浄や解し方は教えてもらっているはず。
「瑠夏、お前は売られた時点でここの男娼だ。
自分の身体でのし上がっていくしかないんだ。
そのためには、自分を如何にアピールして上客を手玉に取って金を落としてもらうか、 技も磨かなくてはならない。
生半可な事では務まらない。
いつまで経っても下っ端の男郎 で一生をここで終えるなんて真っ平だろう?
そして、自分で自分の身を守れ。
発情期に中出しされたら子を孕んでしまう。
そうなれば早い段階で中絶させられる。
身体も心も傷付いて一生それを引き摺ってしまうだろう。
そうならないように、自己管理はしっかりとするように。」
瑠夏は黙って頷いている。
きりりと痛む胸を忘れるように、大きく息を吐き
「俺がお前を千尋以上の華花魁にしてやる。」
そう宣言すると、俺の心を見透かすようにじっと見つめてきた。
ビー玉のような透き通った瞳が、俺の心を覗き込むようだった。
その輝きに負けじと告げた。
「では、今から訓練を開始する。」
「…くっ…はあっ…つっ…」
「どうした。イルマに教えてもらったのではないのか?」
「…っ…でもっ…これ…やだぁ…」
ローションを纏った俺の人差し指が、うつ伏せにした瑠夏の後孔を抉る。
キツい。
滑りを良くしながら、ゆっくりと内壁を擦り上げ、ある一点を突いた。
「あああっ!?」
瑠夏は自分の身に何が起こったのか分からず、困惑と快楽の入り混じった顔を俺に向けた。
「ココ。ノってきたら、客の指やペニスが当たるように自分で角度を変えてコントロールするんだ。
あまり何度も当たるとバテてしまうから程々に。」
羞恥からか顔が赤らみ、潤んだ目で見つめてふるふると震える様は小動物のようで、被虐心を駆り立てる。
ふわ…と、雄を誘うΩの匂いがした。
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