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躊躇③

このままだとスキンに入りきらない量が、溢れ出してしまう。 こんな、放出のコントロールができないのも初めての事だった。 誰かに抱かれるのも初めてのくせに、α(おとこ)を誘う術を本能的に身に付けているΩ(瑠夏)。 あの桜の花が舞うあの場所で見た笑顔の瑠夏と、本当に同じ人間なのだろうか? 戸惑いながらも欲望のままに、目の前の男娼の腰に再び穿ち続ける。 最初につけたスキンはもう、役に立ってはいない。 大量の精液が後孔から溢れ出し、摩擦で白く泡立つのと卑猥に滑る音で、己の欲を自覚させられる。 瑠夏は俺の揺さぶりに身を任せ、嬌声を上げている。 その様は美しく淫らで、俺はますますこの行為に溺れていった。 何度吐き出しても満足することができない。 瑠夏はもういつの間にか、完全に意識を失っていた。 それでもなお、その身体に欲を注ぎ込んだ。 夜が白々と明け染める頃、やっと冷静になった俺は、瑠夏の身体を自由にした。 吐き出された2人の欲望と、汗と、一握りの涙とに塗れても、瑠夏は泥水に咲く蓮のように気高く美しかった。 乱れた前髪を掻き上げてやる。 「…ん…」 瞬きを繰り返し、瑠夏が起きてしまった。 「目覚めたか? 初めてのお前に無体をしてしまった。 すまない。 これを飲んで…」 ゆっくりと身体を起こしてやり、念のためにと飲むように促したのはアフターピル。 まだ完全には目覚めていない瑠夏を起こし、水を含ませ飲ませてやった。 「…ありがとうございます…おはようございます…」 真っ赤になり俯く瑠夏を抱き、俺専用の風呂へと連れて行く。 「あっ、あのっ!俺、1人で」 「あれだけ抱き潰したんだ。1人では歩けまい。 後始末をするから、それも覚えろ。」 瑠夏は黙って頷いた。 あぁ…この光景は、半年前と同じなのに。 ゆったりと歩を進めながら、じりじりと焼け付く胸の痛みに耐えていた。 びくりびくりと反応する瑠夏の後孔から、己の体液を掻き出しながら、瑠夏に告げた。 「ここでしばらくお前を預かる。」 瑠夏は何の感情もないビー玉のような瞳で、俺を見つめ頷いた。

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