2 / 3
1話
桜が舞い、花。ある少年の髪につく。今日はとある中学校の入学式。二人はこの学校に通う事になる。二人が入るにしては、ごく一般的な公立中学校だ。二人は小学校のまま上がったと言うことになる。
「クラス変え別れたなぁ」
少し物惜しそうにそう言う少年。
「太陽は四組か。んじゃ、頑張れよ。なんか問題児多そうやし」
彼は、そう寂しげに、少年の髪についた、桜を払う。
太陽のクラスには、小学校からの問題児がいた。それは彼のクラスも、同じなのだが。
「隣のクラスやし暇あったら、大和のクラスに遊びに行くわ」
髪に桜をつけていた少年、太陽が大和と呼ばれる少年に笑いかける。
……切ないなぁ……
大和には、そんな思いもあった。だが、やまとは、寂しさを、隠す強さは持っていた
「太陽って、どのクラブに入るん? 確か小学校の時の体験会? のときは、確か野球部行ってたよな?」
勿論、大和も野球部を体験しに行っていた。
「ん~……まぁ、野球部かなぁ。」
二人が通う中学校の野球部は、地区大会優勝をする程度には強かった。
大和も、一応、昔から野球をやっていたため、野球部に入ることを決めていた。
「んじゃ、一緒やな」
太陽にクールに笑いかける大和。
「今日ちょっと夜練習する? 多少はフォーム教えれんで?」
嘘だった。大和はいつでも、太陽に教えれるよう、詳しく、飲み込んでいた。
「まじ? じゃあ頼んだ」
二人が約束をしたのは八時。いつもは出れないような時間に、太陽と公園で合う。大和は、大きく胸を高鳴らせた。
それは太陽も同じで、太陽もニヤつきを必死に押さえていた。
太陽は自分が両性愛者だと言うことに気がついていた。
今思えば、それは本能だったのかも知れない。
それから、二人の、夜の練習の日々が始まった。
ともだちにシェアしよう!