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1話

 桜が舞い、花。ある少年の髪につく。今日はとある中学校の入学式。二人はこの学校に通う事になる。二人が入るにしては、ごく一般的な公立中学校だ。二人は小学校のまま上がったと言うことになる。  「クラス変え別れたなぁ」  少し物惜しそうにそう言う少年。  「太陽は四組か。んじゃ、頑張れよ。なんか問題児多そうやし」  彼は、そう寂しげに、少年の髪についた、桜を払う。  太陽のクラスには、小学校からの問題児がいた。それは彼のクラスも、同じなのだが。  「隣のクラスやし暇あったら、大和のクラスに遊びに行くわ」  髪に桜をつけていた少年、太陽が大和と呼ばれる少年に笑いかける。  ……切ないなぁ……  大和には、そんな思いもあった。だが、やまとは、寂しさを、隠す強さは持っていた   「太陽って、どのクラブに入るん? 確か小学校の時の体験会? のときは、確か野球部行ってたよな?」  勿論、大和も野球部を体験しに行っていた。  「ん~……まぁ、野球部かなぁ。」  二人が通う中学校の野球部は、地区大会優勝をする程度には強かった。  大和も、一応、昔から野球をやっていたため、野球部に入ることを決めていた。  「んじゃ、一緒やな」  太陽にクールに笑いかける大和。  「今日ちょっと夜練習する? 多少はフォーム教えれんで?」  嘘だった。大和はいつでも、太陽に教えれるよう、詳しく、飲み込んでいた。  「まじ? じゃあ頼んだ」  二人が約束をしたのは八時。いつもは出れないような時間に、太陽と公園で合う。大和は、大きく胸を高鳴らせた。  それは太陽も同じで、太陽もニヤつきを必死に押さえていた。  太陽は自分が両性愛者だと言うことに気がついていた。  今思えば、それは本能だったのかも知れない。  それから、二人の、夜の練習の日々が始まった。

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