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第4話

「ぜってぇセレブばっかじゃん、その式」 彼との生活で、何となくリッチな生活や社交界というものを理解出来てきたものの、今聞いた話だと、桁違いなレベルの人々が集まってくるに違いない。 俺の頭では処理できない世界が繰り広げられるのは目に見えてる。絶対に俺だけ気後れするやつ。 「セレブにはセレブだろう。お前が嫌いなやつだ」 わかってんじゃん。 「だが、お前は俺と一緒にいたらいいんだから、何も気にすることはない」 自信満々に言って、柔らかく微笑む。 なんとなく恥ずかしくなって、湯気につられてそのままコーヒーを口に含んだ。 「じゃあ、お前がそばにいてくれるんなら、行く」 コーヒーを飲み込んでから、ぽそっと呟く。 「まぁ行くっていうか、せっかく招待されてるから、行くけど」 彼がにんまりと笑った。 「そうこなくちゃな。俺も離さないから、お前も俺のそばを離れないでくれ」 「うん。マジでそういう場所不慣れだから頼むな」 「俺がハニーを手放すわけないだろう」 「だな。俺の方が嫌になるかも」 ケラケラ笑いながらの他愛のない話は続く。 彼のことだから、言葉の綾じゃなく、本当に俺のそばにいてくれるだろう。彼がいるなら、きっと大丈夫。 ……俺もすっかり甘ったれたもんだ。

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