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第9話
「もぉっ、ばかぁ」
脚の付け根からロックするみたいに太い腕に押さえつけられ、身動きも取れない。すっかり股間に沈んだままの彼の頭を、腕で押したりぺたぺた叩いたりするけど、何の効果もない。
「や、ぁ」
食べられるんじゃないかと思うくらい根元まで口に含まれる。上顎や舌先で先端の括れ部分を刺激されると、どうしようもなく腰が跳ね上がった。
彼の親友は、刺激されてすっかり上向いてしまった。
「こうでないとな」
唇を離した彼は満足そう。そのままアイスみたいに舐めまわされ、空気に触れてすぅすぅした。
「さぁ、俺に眠る前のミルクを恵んでくれ」
部屋の色で小麦色に染まった顔が、ニンマリと笑う。言わんとしていることを一発で察して吹き出してしまった。
「ったく、マジで馬鹿なんじゃねぇのお前!」
「こっちは大真面目さ。馬鹿だなんて心外だな」
わざとらしく困った顔をして肩をすくめる。
「大真面目だとしてもっ、その……言い方……」
「ミルクのことか?」
恥ずかしげもなく言うのが彼らしいとは思うけれど、そんなことで感心している場合ではない。
「そうだよもおっ! 何なんだよマジで!」
「俺とお前の仲だろう、まぁ気にするな」
「気にするっつうの!」
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