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第11話
「っ、あっ」
もう限界が近い。ノリ気じゃないなんて言っておきながら、彼以上に体が反応してしまってるのが悔しい。
「んぅ……ぅっ」
せめて声だけでも殺そうと、腕を噛む。歯型がついたらあとで彼が心配しそうだけど、そんなこと気にしていられない。
けれど、声が聞きたいという彼に、あっさりと手を掴まれてしまった。
「やら、いじわるっ、ぅ」
「ふふ、可愛いハニー、もっと聞かせてくれ」
本当に泣きそうになりながら、けれど嫌がるのは口先だけ。俺は彼の管理の下、ゆらゆらと腰を揺らめかせた。
息を弾ませながら、彼の舌や口、手の感触に翻弄される。
もう達したのかそうじゃないのかわからないくらい、刺激的で緩やかな快感がずっと続いていた。
彼が先端を軽く潰すように刺激した瞬間、俺の腰が一際強く跳ね上がる。
彼の待ち望んだ瞬間だった。
「うぁっ、あ……っ」
恥じらいと気持ち良さが混じり合ったまま、自分の意思とは無関係に脚が跳ね続ける。
「ゴチソウサマ」
そんな様子も余さず見ながら、覚えたばかりの日本語で彼が微笑む。体を起こした時には、俺が達した証拠みたいなものは何も見当たらなかった。
「ごちそうさまじゃねぇって」
それはそれでまた恥ずかしくて、寝たまま体を抱きしめるみたいに体を丸めた。
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