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第75話

廊下の途中、外が見えるように壁をくりぬいたみたいな窓がいくつか空いていて、うっすらくらい廊下に光が差し込んで幻想的だった。 廊下の一番奥はステンドグラスになっていていろんな色の光が差し込んできていて、昨日の結婚式の教会を思い出す。 「すげーな、全然気づかなかった。ここに来て3日になるのに」 忙しかったとはいえちょっともったいない。今頃になって城の綺麗さに気付くなんて。思えば城の探検なんて、すごい贅沢な観光じゃん。 「えーと」 歩きながらパンフレットを開いた。三つ折りの小さなパンフレットだったけど、城の全貌と細かい歴史的な解説が書いてある。歴史には疎いけど、観光ってそんなもんだろと思い直して。 紙面は俺たちが泊まっているホテル部分や非公開になっている部分などを除いた、一般に公開されている部分をイラストと写真で描いている。 「それにしてもでかい城だなぁ。しかも複雑」 公開されていない部分も含めると、本当にかなりの広さ。ドーム何個分とかいうベタな表現を思いつくけど、何個分かもわからない。 階層は最大3階、公開されている大部分が庭だった。庭だけでもかなりの広さで、いろいろジャンル分けされているらしかった。

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