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第82話
第2王子だかなんだか知らないけど、それが何を意味するのかもわからない。
「で、王子様が俺みたいな庶民に何の用なんですか?」
ちょっと突き放すみたいに、呆れた感じで言う。迂闊に庶民に触ると痛いってことを教えてやらないと。
「なんだかよくわかんないですけど、俺なんかみたいなのに関わってると、国で問題になるんじゃないですか?」
刺青の入った腕を露骨に見せるように、スマホを持っている腕をあげた。いかにも素行が悪いっていう感じを見せつけて、ちょっとビビらせてやろうと思った。とはいえ俺もTシャツ着てるもんだから、俺を見つけたときから、ずっとこの墨は見えていたハズだけど。
だからかよくわからないけど、王子様はのほほんとしたままだった。
「あぁ、なるほど、そういうことか」
しまいに、俺が言わんとしていることを理解するのに、少し時間を要したらしい。
王子が言ったことは、ちょっと予想外だった。
「あなたほどじゃないけれど、僕も右肩に蝶の刺青を入れているんだ」
「えっ?」
言いながらTシャツの袖をめくりあげる。細い線で書かれた刺青が、ほんの少しだけ見えた。
「だから、あなたと一緒。別に問題にはならないと思うよ」
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