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第103話

「実は日本の政府関係者とも話をする予定だったんだが、それより先に君たちに会いたくてね。悪気はないが、後回しにさせてもらったんだ」 苦笑して言われる。これは笑っていいやつなんだろうか、どうなんだろう。 「よかったなハニー、政府の奴らよりも早く彼に会えたな」 「まあ、うん、ははっ」 思いっきり愛想笑いして、変なところで日本人アピールしてしまった。 「偉い人ばっかりに会ってたから、アタシも疲れてたの。あなたたちに会えて気が休まるわ」 シェフは心底ホッとしたみたいに言う。上品な人って印象はあったけど、場所のせいか旦那が隣にいるせいか、余計に上品に見える。白いブラウスみたいな服が、彼の白い肌とはにかんだ笑顔に映えてる。 「まったくだ、私もネクタイが緩められなくて疲れたよ」 かたや首相は仕事から帰って来たサラリーマンみたいに、深いため息をつきながら言う。しかもしっかりネクタイを緩めながら言うものだから、その仕草だけでちょっと親近感が湧いた。 「あの、なんだったっけ、夕方に会った国王さん、話が長かったのよねぇ~。肩凝っちゃったわ!」 「ああ、彼は本当に話が長いことで有名だからな。私も疲れたよ」 2人で同じ方向に首をぐるっと回すのが、息があってるなって感じ。

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