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第127話

「どうしたんだハニー、何がおかしい?」 彼は困った顔をして首を傾げている。 さっきまでシリアスな話してたのに、いきなり笑い出したらそりゃあ困るか。 「ん、なんかちょっとおかしいなと思って」 「何もおかしいことなんかないだろう?」 「いや、なんか俺色っぽいフリしちゃってるなと思って」 「色っぽいフリ?」 全然わけわかんないみたいな顔してる。 「いいんだよ、俺が勝手に思って笑ってただけだから。大したことじゃないから」 なだめるみたいに、背伸びして彼のほっぺたにキスする。 「なんだかわからないが、お前が自分のことを色っぽくないと思っていたとしたら、それは間違っている」 すると、彼ははっきりと自信満々に言うのだった。 「お前は世界で一番色っぽい。それは間違いないから自信を持て」 しまいにキリッとキメ顔するし。なんだかよくわかんないけど、褒められてんのかな。 「そうかよ。そりゃどうもな」 「あぁ、けしからんくらい色っぽいぞ」 「意味わかんねぇ」 まぁ、彼がイイっていうんなら何でもいいか。 改めて向き合うと、自然と唇が重なった。少し背を丸めて口付けてくれるんだけど、実はちょっと申し訳ないと思ってる。

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