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第130話

「絶対別れてやんねぇって言っただろ、いつか」 雰囲気をぶった切るみたいにはっきりと言うと、彼は少しだけ目を丸くした。 「心配させたのは悪かったけど、俺は絶対にお前のこと裏切んねぇから。俺だってお前のこと」 彼のほっぺたを両手で包むみたいに捕まえて、無理やり俺と視線を合わせさせる。 一回しか言わないくらいの気持ちで、真剣な気持ちで言った。 「お前のこと、愛してるから」 彼にこの言葉を改めて伝えることはほとんどない。伝える術を知らないわけじゃないのに、羞恥心みたいなものが、なんの役にも立たないのにずっと邪魔をしてきた。 羞恥心は取っ払って、今は彼に想いを伝えることが最優先。愛する彼のために、彼を安心させることが、今は何よりも大切なこと。 とはいえ伝え方があまりうまくないことは、自分でも自覚している。 まっすぐに見つめ続けると顔が熱くなってきて、もう何秒とも保たずに目を逸らしてしまった。 「ハニー……」 彼は目をそらさずに、じっと俺を見つめ続ける。 「あんまり見んな……」 本当に恥ずかしい。捨て台詞吐いて逃げたのに、その場でコケたみたいな気分だ。 視線を逸らし続ける俺のほっぺたを、今度は彼が片手で拘束した。

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