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第133話

「いっぱい撫でて」 ちょっと甘えてみる。大きくてあったかい手で俺の体をずっと撫で続けて欲しい。 薄暗い部屋の中、じっと見つめると、視線に気づいた彼が舌でえぐるみたいなキスを見舞ってくる。 「んん……っ」 背筋の場所がわかるくらいゾクゾクする。彼の手が俺の服を徐々に捲り上げていく。 「っ、まって、脱ぐ」 無理やり唇を離して、短く言う。彼は手を離して、少しだけ体を起こした。彼はうんうんと頷く。 「うん、脱いでくれ」 随分物分かりがいいな。 「なんだよ、すげぇ素直じゃん」 「お前が自ら脱ぐ姿を見たい」 「はぁ?」 「俺に抱かれるために脱ぐ様子を目に収めたい」 「あぁっ? ばっかじゃねぇの!ったく」 なんて言いながら、ベッドに雑に上の服を脱いでいく。首から引っこ抜くみたいにシャツまで脱ぐと、刺青が露わになった。 「相変わらず素晴らしい彫り物だ。芸術品だな」 じっと見つめてくる顔に、いやらしさはない。 「そうかよ、ありがとよ」 「お前の体自体が芸術品のようなものだが」 彼の手が肩に触れる。そのまま刺青をなぞって、そのままそっと俺の手を取った。 「美しい俺の妻。愛している」 そっと手の甲に唇を落としてくる。

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