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第134話

彼は本当に紳士だと思う。生まれ持ってのものなのか、仕事をしていく上で身についたものなのかわかんないけど、寵愛受けるこっちの方が恥ずかしくなるくらい誠実で優しい。 まぁ、このシチュエーションはアレだけど。 「うん、ありがとう」 結局それしか言えなくて、自然とうっすら微笑むことしかできない。昔に比べたら、かなり自然に微笑めるようになった。それもこれも、彼のおかげで。 やっぱり、俺は彼のことを愛しているんだなって、改めて感じた。 「愛してる」 彼のほっぺたに触れて、囁きながら唇を触れ合わせる。俺の方から深く舌を潜り込ませて、彼の舌を掬い取る。 唾液ごと絡ませて少し主導権を握ろうとしたけど、あっという間に絡め返された。 「っ、ん」 指を絡ませて手を取られる。再びベッドに押し返された。 「んんっ」 少し苦しい。息を吸う隙間もない。彼の肩をパンパン叩くと、ようやく唇を解放された。 「すまない、つい夢中になってしまった」 「加減しろよーっ、もぉ」 でも、彼のキスで殺されるなら、それはそれで本望だけど。 改めて向き合って見つめ合いながら、そのまま彼の下腹部に触れる。もっと下の決定的な部分には触れないで、優しく労わるみたいに。

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