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第142話
「俺の脇が甘かったせいだからさ、お前は何にも悪くないし」
「いいや、俺がお前をきちんと守ってやれなかったせいさ。お前を1人にしてしまった。すまなかった」
お互いに謝ったり後悔を口にしたり。本当に似たような夫婦だ、なんて頭の片隅で思う。
彼は俺の手を取りながら、少しだけ体を離した。
「ハニー、脚を開いてくれ」
落ち着いたトーンで言われる。従わない理由がない。
「横になればいいの?」
ちょっとすったもんだあったものの、俺も俺でそれなりにリラックスしてたみたいで、改めて尋ねた声はちょっと声色がまったりしていた。
「あぁ。仰向けがいいかな」
何をするのか、されるのかは、察してはいるけどお互い口に出さないまま。
「うつ伏せでもいいけど?」
「脚の間に挟まれたいんだ。大きく開いた脚の間に」
「そうはっきり言われると、お前本当に変態みてぇ」
「そう褒めるなよ」
褒めてねぇよ、と言うより先に、彼の大きな手に促され、流れるように自然とベッドに寝かされる。
「さぁ、脚を開いて」
なんて言いながら、俺の足首を掴む。俺も俺で全然抵抗もしないから、されるがまま開かされる。
あーちょっと股関節痛いな。ここに来てからろくに運動もしていないから、こんなところで柔軟性が地味に問われる。
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