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第144話
そこから話を広げたいわけじゃないから、適当に言葉を濁した。
「お前ホント変態」
唇を尖らせてみる。けれど俺の唇なんかより、彼はこっちの口とやらに夢中。話すたびに彼の熱い息がケツの間に当たるのがくすぐったい。
「変態でもなんでも構わない。ハニーとのコミュニケーションに必要なスキルなんだ」
「俺のせいみたいに言いやがって」
まぁまぁと適当に宥められて、再び舌を這わされる。
「ちょおっ!」
咄嗟に頭を押さえつける。けど、舌の動きが止まるわけもない。
くちゅ、ともぷちゅ、ともいえない、とにかく唾液が絡まる音がして顔が熱くなる。
俺の体の中で一番敏感な部分が、彼の舌先に翻弄される。舌先が触れた部分は神経が集まってるのか、触れる度に何となくピリッと痺れる感じがする。
「ぁ、んぅ……っ、はぁ」
それも心地いい。
呂律の回らない変な喘ぎ声。彼しか知らない俺の声。彼に触れられないと、こんな声は逆立ちしたって出ない。
「ハニーわかるか? だいぶ解れてきた」
俺の腰を支えたまま、彼が少し顔を上げる。何の変哲もない太い人差し指を見せつけながら、ゆっくりと俺の中に押し込めていく。
「っ、う」
苦しくて、変な声が出た。
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