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第155話

「あんまり見んなって……」 思わず目をそらせた。すると彼が緩く下から突き上げてくる。 「ぁうっ」 「ちゃんと見せてくれ、その美しい顔を」 ニヤニヤしながらやってくるからちょっとイラッとする。 「もぉばかっ、やだぁ」 本当に奥まで食いこまされた上でそれだから、俺も力が入らなくて、口で文句を言うことしかできない。それなのに舌も回らないからどうしようもない。 結果的に彼を喜ばせるだけだし。 「ああ、可愛らしい。俺を喜ばせるために存在しているような体だ」 案の定だらしない顔をして、彼にまたがったままの俺を下から突き上げてくる。両手とも体を支えるようにしっかりベッドについた上で突き上げてくるもんだから、振り落とされないように、必死で彼の首に腕を回した。 「体だけっ、かよ」 それでも悪態をつく。我ながら往生際が悪いとは思うけど、元々の素行の悪さ故なのか、つい呟いてしまう。 「もちろん体だけじゃないさ、わかっているだろ?」 結局全部受け止めてくれるから、悪態ついちゃうっていうのもあるけど。 下から突き上げてくる彼の力強さを、俺なりに受け止める。安定した心地よさを体の芯から感じて、彼の耳元でだらしなく、甘ったるく喘ぎ続けた。

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