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第159話
「ん……っ」
少しだけ体が震える。中で彼の限界を感じたのに、いつもより反応が鈍いのは、ずっと達していたみたいな強い快感を感じていたからだと思う。
「あっ、ああ……」
いつもより感じていたのは、彼の方だった。余韻を味わうように、達してもなお腰を緩く突き上げ続ける。
「だいじょぶか?」
とはいえ俺も虫の息みたいな感じ。彼の首筋やほっぺたに軽くキスをして、なんとなく呼吸を整えていく。
「ハニー、最高だった」
荒い息が少しずつ整ってきた彼が、低い声でそっと囁いてくる。
「なんだよ、別に耳元で言わなくてもいいだろ、2人しかいないんだから」
「わかっている。けれど、お前にだけ聞かせたかったんだ」
「そうかよ」
この空間ででかい声で言うことでもないし、なによりこの距離で囁かれると心地いい。
事を終えた彼のブツが中から引き抜かれる。彼を愛するようになってからというもの、何度もこの瞬間を迎えているはずなのに、どうしてもこの瞬間は少し寂しくなる。
「愛してるよ」
裸でベッドに寄り添って囁く。もうシャワー浴びるの明日でいいや。今は彼と繋がった時間の余韻に浸りたい。
「あぁ、俺もだ」
彼も気だるそうで今にも寝入ってしまいそう。
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