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出会い
なんかやばい気がする…
そう思って逃げようとしたけれども時すでに遅し。
「男同士だからって何?」
「え…」
「何がダメかって聞いてるんだけど?」
「………………」
「なんか答えなって。ま、別にいいけど。もうお前は俺のものだしな。」
そう言った橋本さんはさっきとは全然違って…
俺は足がすくんで動けなかった。
「行くよ。」
「…………」
そう言ってすたすたと歩き出した橋本さんに、もちろん俺はついて行かなくて…
いや、ついて行けなくて立ち尽くしていた。
そんな俺に気づいた橋本さんは俺の前まですたすたと歩いているのに、それに似つかわしくないズンズンとかドンドンとかっていう言葉が似合う歩き方をしているように、俺の目にはうつった。
「何してんるんだ?早くついてこいよ。」
そう言って俺の手を引っ張って連れて行こうとした。
しかし、俺は反射的に足に力を入れ、その場にとどまってしまっていた。
「……ゃ……やだ。」
そのうえ、俺の口からはその言葉が溢れでていた。
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