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執事
あれからどれくらい経ったのだろうか…
気がつけば日が落ちていて
部屋は月明かりで照らされている程度の明るさだった。
そんな中、部屋の戸をノックする音が聞こえた。
そう思っていると戸が開いて見知らぬ男が立っていた。
「愛斗様…」
なんで俺の名前を知っているのだろうか
なんでそんな痛々しい声を出すのだろうか
「愛斗様、少しお休みになられますか。」
「……誰?」
「申し遅れました。愛斗様の身の回りのお世話をさせていただくことになりました、佐伯 清 と申します。佐伯とお呼びくださいませ。」
「そ…」
「お食事はどうなされますか。こちらにお運びいたしましょうか。」
「なんでもいい…」
「では、お持ちいたしますね。後…動くことは可能でしょうか。床に座られていては、お身体によろしくないですし。」
「ん…」
俺が椅子に座ったのを見届けてから佐伯は部屋を出て行った。
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