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執事
あれからまた時間が経った。
あの後、佐伯がご飯を持ってきてくれた。
けど、食べる気にはならなくて…
結局下げてもらった。
「愛斗様、入浴の準備が出来たのでどうぞ。」
「ねえ、佐伯…」
「何でしょうか。」
「…千晶さんは?」
「千晶様は自室でお休みになられていますよ。お呼びしましょうか。」
「……いい…」
そう聞いて胸がさらに苦しくなった気がした。
俺なんかもう必要ないんだ。
俺のことなんか全然気にしてないんだ。
そう無意識のうちに、今までとは明らかに違う感情…
誰かに必要とされたいという思いを描いてしまっていたのだった。
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