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** 薫の贈り物 **
♡♡♡ 新見・side ♡♡♡
※甘い生活・・・?の余談です。
独り立ちしたいと言ったハル。
勝手にアパートを決め
引っ越ししようとしてたのを
手伝うフリをして
俺は、2人で住めるマンションを契約した。
遊とケーキバイキングへ出かけた隙に
さっきまでいたマンションの荷物を
新居に運んだ俺たち。
時間ねーし、
1人では到底 無理だし、
高校からの悪友、山咲 薫と
その仲間(というか、下僕) 数人と
遊の彼氏、晃も巻き込んで
なんとか無事、引っ越し完了♪
☆
☆
☆
『あー、助かったわ・・・ありがとな、薫。』
『いやいや、10年来の友人の頼みとあらば
なんでも聞いてやるよ。
優しいからな、俺は♪』
『・・・・・・・・・そりゃどーも。』
・・・ウソつけ。
ただ単純に 面白そうだったから、だろーが。
てめーが来たのは・・・・。
『・・・ん?なにか?』
『・・・ん?いや、別に?』
まぁ、それを分かってて 呼んだ俺も、俺だけどな。
仲間 も含めて、
何日か来てくれて助かったのは事実だし。
『晃も今日はサンキューな。』
『あ・・・いえ・・、
俺なんかでよかったら 全・・・然・・・・。』
そう答える晃の顔はひきつっている。
どうやら腰を痛めたらしい。
『情けねーなぁ、あれくらいで。』
薫は労るどころか晃を冷めた目で見る。
『・・・なっ!店長ひどい!!
段ボール持って
何往復したと思ってるんですかっ!!』
『知らん。』
『もー!・・っ・・・・あ、・・・・・こ、腰が・・・っっ!』
反論していた晃だけど
腰を押さえつつ、へたりこむ。
まあ、確かに
何往復もさせて悪かったな・・・・・・・
湿布でも出してやろうかな
なんて思っていたら
薫が呆れ果てた顔で今度は俺を見て言った。
『なあ、新見。
俺が思うに、コイツより
遊の方が、断然 頼りになったと思うぞ?』
『・・・・・・・・・えっ?そうなのか?』
『遊の方が 力も根性もコイツより上だな。』
『へー。そうなのか?晃』
相当、痛いのか うずくまってしまった晃に
聞くと、晃はヨロヨロと顔を上げて
ボソッと呟いた。
『・・・・そう・・・・だとしても・・・・・
遊にこんな、悪行は手伝わせません・・・・。』
『は?悪行って・・・・ぶはっ!』
言い方が面白くて、思わず晃の背中を叩く。
────と、
『ぎゃ───っっ!腰・・・・腰がぁ・・・っ!!』
『あ、わりーわりー♪』
悶絶する晃。
おもしれー♪
『さて、じゃあな。俺は帰る。』
立ち上がる薫。
カバンから茶色の紙袋を出すと、机の上に置いた。
『これは俺からのささやかなプレゼントだ。
仲良く、大事に使えよ?』
『・・あ・・・それ・・・その袋・・は、・・まさか・・・・・』
『晃くん?余計な事 言ったら腰に蹴り入れるぞ?』
『・・・ひっっ!!な、ななななんでもないっす!』
『よろしい。じゃあな、新見。』
『・・・・・・おう。またな。』
ひらひら手を振って、薫は帰っていった。
なんだ?
今のやり取り・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ま、いっか。
そろそろハルを迎えに行かないと。
『晃。送ってく。』
『はい・・・ありがとうございます。』
車のキーを持って玄関に向かおうとすると
晃に呼び止められた。
『あの!その紙袋・・・
晴臣さんに見られないように
何処かに隠した方がいいと思います・・・・』
『ん?』
言われて中身を確認して、納得。
『・・・・・・・・・はぁ。あのヤロ・・・。』
趣味の悪いモン、大量に入れやがって。
まだキス止まりで 一線越えられてねーってのに。
『・・・・・・・・・ふん。』
決めた。
1週間は アイツの店に入り浸ってやる。
紙袋は とりあえず寝室のクローゼットに隠して
晃を送るため部屋を・・・
ハルと2人で暮らすための新居を後にした。
ハルのヤツ
俺の悪行(笑)を知って
どんな顔するかな。
楽しみだ♪
♡ ♡ ♡ お わ り ♡ ♡ ♡
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