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恐怖のバレンタイン💝
♡♡♡ 晃・side ♡♡♡
今日はバレンタインデー。
俺の周りの男どもは、
“ 誰から もらえるか “
“ 何個もらえるか ”
なんて、大騒ぎしている。
そのために、らしくもないお洒落をしたり
やたらと女の子にやさしく振る舞ったり
チョコもらいたい!って
魂胆が見え見えで 逆に痛ましく見えてしまう。
ま、俺には関係ないけどー♪
俺には遊がいるもんね~!
俺のためにチョコレートケーキ作ってくれる
可愛い可愛い恋人がいるんだもんね~♡
『うはははー♪』
ウキウキでテーブルを拭いていると
背後から 暗黒のオーラが じわじわと
忍び寄ってくるのが見えた。
はっ!!
こ、これは・・・・!
『て、ててててんちょ・・・・、あだっっ!!』
ボコッ。
鈍い音がして頭に衝撃がはしる。
『いっ・・・いだぁ・・・っ!』
『へらへら笑ってんじゃねぇ💢
気持ち悪いんだよ、てめー。』
『だ、だからって殴らなくても・・・っ』
『あ?うるせー。仕事しろ。』
ゴゴゴゴゴォォォォ!!
(渦巻く黒いオーラ)
こ、怖っっ!!
『は、はいっ!仕事しますっ!』
逆らうとまた殴られそう・・・・と悟った俺は
素直に返事をして、それからはバイトに専念した。
☆
☆
☆
そして、バイト終わり。
早く帰って遊と甘い夜を・・・・♡
うしし♪
『おー。お疲れ。これやる。』
休憩室で着替えていると
店長が入ってきて
俺に差し出したのは・・・チョコの箱!
『・・・・・・・・・え?』
『やる。』
な、なんで店長が、俺に?
まさか・・・ててて店長っっ??
『お前・・また妙な事、考えてねーだろうな?』
『はっ。い、いえ!まさか~!
店長、俺が好きなんじゃ?とか
微塵も考えてませんっっ!!』
『ほぉぉー。』
黒いオーラが店長の背中から溢れだす。
こ、怖いぃぃっ・・・!!
『ま、いーや。深い意味はないから持って帰れ。』
『は、はいっ!ありがとうございます!』
『よろしい。』
『はい!』
ま、いっか。
くれるものは有り難く 頂こう。
荷物を持って休憩室を出ようとした
その時。
『あ、それ。遊には食わすなよ?』
『はい?』
『お前が1人で食え。』
『・・・・はい?』
『んで、食ったら報告しろ。』
『ほ・・報告・・・?』
な、なに? どういうこと?
『じゃあな。絶対に食って俺に報告しろよ?』
『え・・・・えと・・・・中身・・・・・、わっ!』
『いーから、帰れ。』
中身を確認する前に
ドンッと背中を押され、休憩室を追い出された。
えーと?
遊には食べさせちゃいけないチョコ?
え・・・・・
ど、どういうこと?
聞けなかったけど
なにか恐ろしいものが入ってるんじゃ・・・・・
と、どうしよう!
食べたくないっっ!
でも食べなきゃ
店長に殺される・・・・!
さっきまでのウキウキはどこへやら
すっかり意気消沈した俺は
トボトボと家路に就いた。
─────で。
結局、店長のくれたチョコは・・・
怪しいモノとかは入ってなくて
ただ単に嫌がらせとしか思えない代物・・・・・
ハバネロたっぷりの激辛チョコだった。
これを先に食べてしまったために
せっかく作ってくれた遊のチョコレートケーキは
味が まったく分からずじまい・・・・・(泣)
とーっても悲しいバレンタインに
なってしまったのだった。
でも、たくさん作ってくれてたから
次の日にも食べたんだ♡
もう!すっげー、うまかった!!
だから、ヨシ としよう。
もちろん、店長への報告も忘れずにしたら
それはそれは嬉しそうに笑う悪魔のような店長に
これまでにないくらい誉められて・・・
複雑な気持ちになった俺なのでした(泣)
村田さんは
「すっごくうまかったっすー♡」
ってキラキラしてたっけ。
さすが村田さん ・・・・
♡ ♡ ♡ お わ り ♡ ♡ ♡
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