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第21話

「朱夏?…ヤキモチ?」 「は?」 近くに立っていた俺を突然引っ張り自分の膝に乗せる先輩 「嫌?俺たちがやってんの」 「嫌と言うかきまずくて」 色んな所に唇を寄せては離してあの色っぽい声で先輩が耳元をくすぐるように問いかける 「先輩…何固くしてるンすか?止めてください」 「ごめん。でもお前可愛いからつい」 「しませんよ」 「わかってる。少しだけ抱き締めさせて」 深い呼吸を繰り返しながら先輩は俺を抱く腕に力を込めていった 「好きだよ…朱夏…」 「俺久米みたいに可愛くないすよ?」 「はぁ?お前よりあいつが可愛いわけがないだろ」 「久米みたいにその…体力も性欲もないんで先輩は満足できないすよ?」 「お前といるだけで満足だから問題ない」 「…」 「朱夏が好きだよ。長年の思い甘く見んなよ。とことん口説いてやる」 「…」 「お前が好き。どうしようもなく…久米とのことはごめん…」 「何で謝まんすか?別に二人がどうだろうと俺関係ないすけど」 「だってお前…悲しそうな顔してる」 「呆れてるんすよ。性欲魔神のあんたらに」 「ううん。寂しいんだろ?朱夏」 「…意味わかんないです」 この謎の問答も俺がどちらかを選べば終わる… 「朱夏?何考えてるの?」 「別に」 「…まだ…昔の人が忘れられない?」 「は?」 「…ごめん…なんでもない」 昔の人?ちゃんと付き合った人はこれまでいない。だからそれを言われても意味がわからない… 「悪かった」 「たっだいまぁーって剣聖さん!!ずるい!朱夏さんと抱きあってぇ!!」 「うっせ、愛してるんだ仕方ねぇだろ」 変な空気を切り裂いてくれた久米には今は感謝だ 「お風呂入っちゃってください。」 「わかった。朱夏。あとでね」 そう言うと名残惜しそうにキスをしてそっと膝から下ろしてくれた 後ろ姿を見送ってさっきまで二人がいちゃついてた場所に戻る キレイにされたアルバムはそっと閉じられテーブルの隅へ置かれていた。"朱夏高校" そう書かれたアルバムに視線を落とす 「しゅっかさぁん」 「何だよ」 「よいしょっと!俺も朱夏さんといちゃいちゃするぅ」 そう言うと隣に座った久米は俺の肩を抱いた そしてこめかみに口付けた 「何か悩んでます?」

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