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第27話
瑠樹愛side
もう見えなくなった空雅たち。出ていった扉を見詰めてた目を伏せドリンクを口にする。
その時
「マスター!久しぶり」
「剣さん久しぶりだね。最近姿見ないから相手見つかったのかと」
「土岐さんとこにいってた」
土岐さんはマスターの友人。男女ともに出会いを求めている人のための店で俺も何度か利用したことはある。でもやっぱり女の子にはあんまり…ってことで俺はこっちに来てる。
「土岐のとこね…そろそろ男の子と出会いたくなったの?」
「んまぁ。そんなとこ?」
「そっか。君はとても一途なのにね…」
「うん。でもあいつは…ね」
「…」
「ちょっとー!!マスターがそんな顔しないでよぉ!」
豪快に笑うその人。どことなく見覚えがあるような…この人は好きな人がいるんだな…相手はきっとノンケなのだろう。
話しによれば彼も俺と同じバイっぽいけど…多分俺と同じでゲイよりなんだろうな…
似たような境遇の人がいて何となく勝手に親近感を持った。
「美人さん見っけ…ん?どこかで会ったことある?」
「さぁ?どうだろう?」
「んんっ?まぁいっかぁ!」
その日の会話はそれだけ。その日はお互い別の相手を見つけて別れた
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