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第31話
瑠樹愛side
和水さんは成績はトップクラスの人。顧客様との距離も絶妙で人によって人が変わる。まぁ営業してればそれは当然のことなのかもしれないけど。
仕事とプライベートもきっちり分けてて別人みたい。
暫く勉強のため一緒に回らせてもらって色々なノウハウを学んだ。
昼食は俺はいつも手作りで和水さんはコンビニとかのお弁当。しかも同じやつ食べ続けてるから体に悪そう。
「先輩。それ、バランス悪すぎです。」
「ん?あぁ。しゃーねーだろ?俺料理全然なんだわ。お前のスゲーよないつも」
「まぁ。昔から好きでやってたんで」
「そーいやぁお前Rの息子なんだってな」
「…えぇ…」
やはりそういう風に言われてしまうのだな…
「おつかれー」
「チーフ!!お疲れ様です」
「珍しいな。朱夏ここで飯とか」
「まぁたまにはね。って久米ーすごいな!!それ手作り?」
「そうですよ」
「すっげーうまそう!!」
「俺Rの息子なんで」
言われる前に言ってしまえば楽になるかな?そう思って口を開いた
「へぇ。」
…通りで…流石だな。…なんて言葉が続くのだろう…そう思ってた
「こんなに綺麗なうまそうなやつ見たことないよ!久米すごいなぁ。俺も料理するけどこんな風には作れない。バランス凄くいいし彩りもいいし。これだけ出来るなら仕事にもいかせるんじゃない?」
Rのことには全く触れてこない白木さんの姿が嬉しくなった。俺自身を誉められてる気がして嬉しかったんだ…
「あ…ありがとう…ございます…」
このときの朱夏さんの真っ直ぐな言葉が俺を救ってくれた。やっと俺と言う人を見てくれたんだ…そう感じられた。それから朱夏さんを意識するようになった。
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