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第39話
「ったく…お前なぁ…」
「いや…だって…」
チュッ
「ふへっ!こんなとこで何してくれてんすか!?」
「変な声出すなよぉ。誰もいねぇし!お前さぁ隙有りすぎ。里中もお前のこと意識してただろ?」
「いやいやいや。里中は彼女いるでしょ?」
「先月別れたよ?」
「なんで知ってんの?」
「女の方に聞いた、抱いたときね」
「はぁ!?部下の彼女にまで手を出すって…さいってい…節操なし!!」
「いや。知らなかったんだって!終わって帰ろうとしたときに言われたんだよ!俺のこと相手は知ってたみたいでさ」
「うわぁ…あんたほんっと昔から変わらないですね!」
「それだけお前のこと好きってことだ。お前に出会ってからだからな。遊び歩くようになったの」
「俺のせいにしないでください」
「仕方ないじゃんか…」
途端迷子の子供みたいな顔するからそれ以上は何も言えなかった
「飯食べました?」
「いや。これから。取引先から帰ったらお前いないから焦って探したし」
「そんな焦んなくても…」
「焦るだろ。ただでさえお前狙ってんのいたのにあの日のお前が可愛すぎてライバル増えたから心配したしあわゆくば無理矢理どうこうする輩も出てくるかもしんねぇだろ」
「いや。流石に会社のやつはないでしょ?」
「あるんだって!あの日のお前すごかったんだからな」
「へ?どんな風に」
「ぜってぇ言わねぇ」
「はぁ!?それかなり気になるやつ!!」
「あの姿写真や動画に納めてるやついるんじゃねぇかな?」
「いやいやいや!誰っすか?」
「い過ぎて把握してねぇよ」
「そんなん止めてくださいよ!」
「仕方ねぇだろ。俺も瑠樹愛も捕まって全く動けなかったんだから」
「そんな…」
「もしかしたらあいつ覚えてるかもな。確か記憶能力凄かっただろ?」
「みぃつけたぁ!!朱夏さん!無事?」
「辛うじてな」
「もしかして里中さんっすか?」
「そうだよ」
「やっぱり…」
「え?」
「あの人が一番貴方に絡まれてましたからね。同じチームだし」
「俺…あいつに何した?」
「…言えません…」
「なんだよぉ…」
気になるがこれは教えてくれそうにない…
結局その話はそこまでで時間も無くなるので三人並んで同じ弁当を食べた。
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