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第42話

声のした方には剣聖先輩が立っていた。こちらに数歩で近づく先輩が俺の手を取る 「だーかーらー言っただろ。無防備過ぎだって…朱夏…ったく…」 そういうとあっという間に俺を緑川から奪い深いキスをしてきた。 やはり先輩のキスは巧みで力が抜けてしまい先輩に身を預けてしまう 「悪いな。こいつ俺んだから。朱夏。行くよ」 二人は驚愕したようにこちらを見ていた 「和水さん!」 「ん?」 「どうせチーフのことも遊びなんでしょ?」 「は?」 「このみが言ってました!遊ばれたんだって!他にも沢山いるじゃないですか!久米とか緑川ともそんな仲でしょ!そんな不誠実な人にチーフは似合わない!!」 「…このみちゃん?あれぇ?遊ばれたの俺だけど?君がよく知ってるでしょ?このみちゃんがそんな女だって。俺以外とも複数の男たちと寝てたってこと知って別れたんでしょ?君が浮気したから別れたって俺は聞いたけど?まぁ。里中くんに限ってそれはないだろうからね」 「なっ…」 「散々の言われようだったよ?」 「…」 「逆に感謝して欲しいくらいだけど?このみちゃんに今の男紹介したの俺だし。そいつのお陰で今はおとなしくしてるよ?」 「…久米とか緑川とは会社でやってた…俺見たんです…」 「うん。そうだね。それは事実だね。でもねぇ1つ誤解を解くなら緑川とは実際はやってないよ。やってるように装っただけ」 「そういうこと。あの時俺しつこい相手に困ってて助けてくれたんだよ。お陰で助かった」 「久米とはしたんでしょ?」 「あぁ。それはね朱夏も知ってる。知った上で付き合ってくれてるの、ちなみに朱夏は幼馴染みみたいなもんだから過去も今も全て知ってるよ。それでも俺を選んでくれた。だから俺も目が覚めたの。俺はもう遊ばない。朱夏しか見ない。だから安心して。里中くん」 「でも…」 「…里中そういうことだ。諦めろ」 「は?いやだ」 「和水さんに敵うわけない。わかってるだろ?」 「それでも俺は諦めない!」 勝手にどんどん話が進んでく…里中が誠実なことは俺は知ってる。 だから一時の気の迷いでこちら側には来て欲しくない…里中は普通に女の子と付き合って結婚して子供を育てて…そんな未来が似合う…だから… 「里中。ごめん。そういうことだから諦めてくれ。あの日は絡んですまなかった…先輩となかなか先に進めなくて少しでも妬いて欲しくてしたことだと思うんだ…俺は中学時代先輩と出会った頃からずっと…先輩しか見てない…だから…今凄く幸せなんだ…邪魔しないでくれ…俺の長い恋路を…頼む…」 「チーフ…」 「緑川もごめん。そういうことだから」 緑川は無言だった。 「先輩…行きましょ…早く二人になりたい…」 自分の中で思う精一杯の甘え方。利用してごめん…先輩…でもやっぱり未来ある奴等に背負って欲しくないんだ… 先輩に腕を絡ませて背伸びをして頬にキスをする。先輩は俺の意図がわかったのかそれらしくしてくれた 「悪いな。2人とも。あと。出来れば俺たちのことや久米のこと秘密にしておいて欲しい。勝手で悪いんだが朱夏や久米が俺の勝手で変に言われてしまうのは…評判が下がっちまうのは…嫌だから…朱夏を思ってくれるなら…わかってくれ。ごめんな。お疲れ様」

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