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第44話

剣聖side 里中と帰る姿を見たとき肝が冷えた。 里中はガタイもよく力も強いから朱夏が無理矢理どうこうされたらどうにもできないはずだ 里中がそんなやつじゃないことはよくわかっているけれど気が気でなくて囲んでる女たちを躱しながら追いかけようとするけれど今度は後任でやって来た上司に捕まる。 上司から解放されたときはもう既に朱夏の姿も里中の姿も見えず急いで車を走らせた。 マンション前に着くと朱夏は今度は緑川に肩を抱かれていた。 無防備過ぎなんだよ… 来客用の駐車スペースに停めて朱夏の元へ行き緑川から奪い取る。 「だーかーらー言っただろ。無防備過ぎだって…朱夏…ったく…悪いな。こいつ俺んだから。朱夏。行くよ」 「和水さん!」 「ん?」 「どうせチーフのことも遊びなんでしょ?」 「は?」 「このみが言ってました!遊ばれたんだって!他にも沢山いるじゃないですか!久米とか緑川ともそんな仲でしょ!そんな不誠実な人にチーフは似合わない!!」 本当にこいつは真っ直ぐだなぁ…あんなにひどい扱いされてのにあの子を庇う?なんてな…お人好しだ… 「…このみちゃん?あれぇ?遊ばれたの俺だけど?君がよく知ってるでしょ?このみちゃんがそんな女だって。俺以外とも複数の男たちと寝てたってこと知って別れたんでしょ?君が浮気したから別れたって俺は聞いたけど?まぁ。里中くんに限ってそれはないだろうからね」 だったら俺はとことんお前を傷付けてあげる 「なっ…」 「散々の言われようだったよ?」 このみちゃんは俺に声を掛けてきたとき既に里中とは別れたと言っていた。このみちゃん曰く里中が他にも複数の女の子がいて自分のことは遊び。金遣いも荒いしギャンブル依存の気もある。酒癖が悪く酔ったら殴られたり蹴られたりレイプ紛いな行為を強要される。騙された女も多い。私もその一人だと… 普段から里中を見ている俺からしてみればそんなのすべて偽りだと言うことは直ぐにわかった。 このみちゃんが俺を知ったのは社員旅行の写真。たまたまそこに一緒に写っていたのを見て欲しくなったんだろう。新しいアクセサリーが。その後偶然を装い俺に近づいてきた。結局このみちゃんは男は自分を美しく見せるための飾りとしか思っていない。 里中も顔も体型もとてもいい。ただ優しすぎて物足りなかったのだろう。 あまりの言われように里中のことが不憫になって少し調べたらごろごろごろごろと出るわ出るわ… 大切な部下がさんざんな扱いを受けたのもあったしそういう女は好きではない。それで俺の友人を与えてやった。今はどうしてるか知らないがあいつにかかれば女は変わるから問題ないだろう 「…」 「逆に感謝して欲しいくらいだけど?このみちゃんに今の男紹介したの俺だし。そいつのお陰で今はおとなしくしてるよ?」

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