68 / 120

第68話

瑠樹愛side 窓を叩いたのは高校時代の友人。空雅だった 「瑠樹愛。こんなとこでどうしたの?」 「…空雅」 「あそこね俺の家なの。今八尋さんと一緒なんだけどね」 指差したのは朱夏さんのマンションの向かいにある最近建ったマンションだった 「うちにおいで。」 車を空雅のマンションに移動させて部屋に招かれた 「どうぞぉ」 「お邪魔します」 「おかえり。くうちゃん」 「ただいま!瑠樹愛捕まえてきた!」 「るぅくん?久しぶり…ってどうしたの?泣いてるの?ほらほらこっちおいで」 清さんに促されソファへ座る。すぐ俺の好きな紅茶が運ばれてきた 「好きだったよね?これ」 「空雅。覚えてたの?」 「うん。だっていつもそれ飲んでたじゃん。何かあったの?」 「実は…」 これまでのことを話す。朱夏さんの名前を言う度泣けてきた ずっと空雅が隣で背中を擦ってくれてた 「辛かったね。…もうやめちゃえば?好きなの」 「それは…」 「できない?」 「…」 「ねぇ。瑠樹愛。あのさ。きっとその人しかいなかったからだと思うんだよね。」 「そんなこと…」 「無いって言い切れる?」 「…」 「辛い恋なんてやめちゃえばいい。だってまだ僕たち若いんだよ?その人にばっかりかまけてたってどうしようもないでしょ?」 「空雅は!好きな人と結ばれたからそう言えるんだよ!!」 「…そうだね。そう言われても仕方ないね。」 「るぅくん。あのね。俺今の君と同じだったよ。違うのは…そうだなぁ…俺を見てないくうちゃんでも好きでいたってことかな?あと好きって絶対わからないように接してた。くうちゃんを思った時期は結構長いんだよ。もたもたしてたせいでくうちゃんが他の人と一緒に居た時期もあったんだよ。そのときが君と出会った頃かな。荒れに荒れて酷いことたくさんやって来た。あの頃の俺を殴ってやりたい…るぅくんがそうなる未来が見える気がして…あ。気を悪くしたならごめんね。それだけ今の君は危ういよ。ねぇ。君を一人の人間。久米 瑠樹愛として見てくれる人が現れたら君はどうするんだろうね」 「…そんなの…それでも朱夏さんを…」 「…瑠樹愛…今迷ってるよ。…八尋さん。あの人呼んで」 「わかった」 「何?…何すんの?」 「秘密。今日はここにお泊まりね」 「え!?」 「僕ので着替えは平気でしょ?スーツもあるからここから仕事行くといいよ。うん!決まり」 「ちょ…。空雅」 「うるさーい!ほらぁ。さっさと風呂入って。ほらほら」 「わかった!わかったから!一本連絡させて。同居人に」 「はいはい」 空雅の押しに負けて結局泊まりになったことを一応剣聖さんに知らせる。場所もここって伝えたから何かあれば連絡してくれるだろう。まぁ。朱夏さんを独占できるから喜んでいるかもしんないけど…

ともだちにシェアしよう!