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第67話
剣聖side
朱夏から聞いた真実は俺が調べたよりももっと深くて苦しいものだった…胸が痛くなる。
気持ちが通じたその日に相手が自ら命をたつなんて…ほんの数ヶ月前まで小学生だったあの頃の朱夏にとってどれだけ大きな苦しみだったか…どれだけ大きな傷になったのか…
ねぇ。朱夏…気持ちが通じたからって俺はいなくならないよ。その人みたいに…だから…俺を選んで
瑠樹愛の朱夏への気持ちはきっと親に向ける愛と同じだと思う
それはこの数日で感じ取ったもの。
本当はもっともっと親の愛情を欲しかった瑠樹愛。周りに認めてもらいたかったあいつの子供みたいな感情だと思うんだ…
心は甘えん坊の子供のまま体は大人になって、もて余したものを違う形でお前に求めたんだと思うんだ。
瑠樹愛としてみてくれる人を俺は知ってる。
瑠樹愛がまだその人に気が付いていないだけだ…周りから教えられたところできっとあいつは何も変わらない。自分でそれをわからない限り…だから俺からその人のことは言えなかった。瑠樹愛と体を繋げながらもその人へ申し訳ない気持ちも少なからずあった…それでも欲に逆らわずあいつと関係を続けてきた…
友人の家はすぐ向かいのマンションだそうでその相手の名は俺も知ってる。瑠樹愛を瑠樹愛として見ている旧友。そして、彼の交際相手は瑠樹愛を想っている人の近しい人物だ。
気が付いてくれないだろうか?瑠樹愛を救ってくれないだろうか?
俺には救えなかったあいつの心の闇を…
与えてあげられないだろうか?俺が与えることはできない愛を…
隣で眠る朱夏を抱き締めてそう願った。勝手なことは百も承知だ…でも…願わずにはいられないんだ…
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