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第69話

瑠樹愛side 風呂から上がるとご飯が並んでた。 「瑠樹愛。おいで。」 「作ったの?」 「まぁ。僕も八尋さんもそれなりにできるからね。勿論瑠樹愛には到底及ばないけれどね。文句言わないでね」 「言いません」 「んじゃ座って」 「うん」 そのときがインターフォンが鳴る。清さんが応対してくれて現れたのは 「マスター?」 「久しぶり。瑠樹愛くん」 いつもその日の相手を探しに行くときに使ってた"bar Tsukisa "のマスターこと飛弦さんだった 「本当に久しぶり!元気だった?」 「お陰さまでね。ん?瑠樹愛くん…泣いた?」 「え!?」 そういうと心配そうに俺の頬にそっと触れてじっと見詰めてきた。いつもお店でしか会ったことなくてお店の照明はすこし暗いからちゃんと至近距離で見たことなかったけどスッゴク美人だった 「…あ…あの…ちか…」 「あ!ごめんね。うっかり…」 本人も驚いて焦ったように離れていく。 「ビックリしたぁ…すごく美人さんだから」 「君に言われるなんて光栄だな」 にこりと笑った表情に不覚にもドキリとしてしまった 「八尋さんと飛弦さんは古くからのお友達なんだよ」 「そうなんだ。」 二人並んでると絵になるだろうな…二人とも背が高いしスタイルいいし顔いいし… 「瑠樹愛くん?どうしたの?」 「ううん。何でもない」 想像したらぼーっとなってた 「あのね。飛弦さん。今ねチャンスだよ」 「へ?」 「今瑠樹愛は傷心中だから」 「何言ってんの?空雅」 「お客様には手は出しませんよ。空雅さん」 「今はお客さんじゃないよ。だってここお店じゃないもん。俺の友達が瑠樹愛。八尋さんの友達が飛弦さん。恋人の友達と過ごす時間。意味わかるよね?取り敢えずご飯食べよー!いっただきまーす」 強引な空雅にみんなして苦笑して食事を始める。 空雅の料理はすごく美味しくてびっくりした。他の人にご飯を作って貰った経験が俺にはあまりないからとても新鮮だった。 そのあとは色々お話しして気持ちがすこし晴れた気がした 「飛弦さん。瑠樹愛と同じお部屋でいいよね?」 「俺は帰るよ。」 「だめ。」 「いや…でも…」 「ダメったらダメ。」 「じゃあ俺はリビングで」 「だめ。折角お布団敷いたんだから大人しくそこで寝て」 「空雅くん…」 「ね?」 渋々了承した飛弦さん。そんなに俺が嫌なのかな? 「あ!瑠樹愛」 「何?」 空雅が声を潜め耳打ちする 「やっちゃってもいいからね!声漏れないし汚しても問題ないから。道具はね部屋の引き出しの一番上に入ってる」 「何言ってんの?空雅」 「ふふ…だって瑠樹愛エッチ好きでしょ?」 「まぁそうだけど」 「飛弦さんの顔もタイプでしょ?」 「…まぁそれは否定しないけどでもそのつもりあの人には無いでしょ?すごーく線引かれてますけど?」 「ふふ…どうかな?迫ってみたら案外簡単かもよ?」

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