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第70話
瑠樹愛side
空雅から解放されると向かい側では清さんと耳まで真っ赤になってる飛弦さんがいた。清さんが子供みたいな悪戯っ子っぽい顔してたから何かからかわれたのだろう。
結局同じ部屋で休むことになった部屋にはぴったりとつけられた布団が二組あった
「あいつら…」
額に手を当てて天を仰ぐ飛弦さんの姿がなんだかおかしくて笑ってた
「瑠樹愛くん。」
「あ。ごめんなさい!きれいな人が天を仰ぐ姿がかわいくて」
「あのさぁ。瑠樹愛くん。」
「はい。」
一気に距離を詰めてきた飛弦さんを見る
「何があったの?」
「え…?」
「今日は様子がなんかいつもと違うから」
「お店じゃないからかな?」
「…俺には話せない?」
「…ううん。話せる」
もう一度話すとなると苦しいよ…けど…
「そっか…そんなことが…」
「うん」
「俺にしなよ」
「え?」
「俺にしなって言ってるの」
「…どういうこと?」
「俺もその人以外の人みたいに君を見ていないと思ってる?」
それは…そう言えばこの人に関しては感じたことなかった…
「あの店に来る人のこと俺は環境で見たことはないよ。瑠樹愛くんは瑠樹愛くんとしてずっとみてた。君が君の名前しか見てない色んな人と出ていくの見ててすごく苦しかった。でも俺は店の人だし客に手を出すなんてご法度だと思っているから止めることも相手から君を奪い取ることも出来なかった…瑠樹愛くん。こんなこと言われても困るかもしれない。でも俺は君のことが…初めてあった頃から…今も想ってる。だから。俺にして?」
「そんな…」
「気が付かなかったでしょ?」
「気付かなかった…」
「俺だったら君にそんな顔はさせない。だから俺にして?」
「…」
「俺は君だけを見てるから。」
「ありがとう…」
どうしよう…嬉しくてたまらない…俺をずっと俺として見てくれてた…こんなに近くにいたのに…気が付かなかった…
どうしよう…考えるより先に体が動いてて飛弦さんの唇に吸い付いた
それに答えるように優しく優しく甘えさせてくれた。
離れがたくて何度も何度もキスを繰り返した。
二人を繋ぐ銀の糸が月明かりに反射してキラキラして綺麗だった
「俺ね…朱夏さんのこと大好き…でも…苦しかったの…ねぇ…飛弦さん。俺はまだ朱夏さんのこと好きなの。でもあなたともいたいの。こんな我儘通りますか?」
「俺は俺を見てない君をずっと長く好きでいたんだよ?何でも聞いてあげたくなる。いいんだよ。俺は何番目でも。君の側にいさせてもらえるなら。」
「…Mなの?」
「そうかもしれないね。だって他の男と出ていく君の姿に惚れたのだから」
「ちゃんと…整理するから…時間かかるかもしんないしまた他の男とも寝るかもしれない。そんなクソみたいな俺をそれでも待ってくれる?」
「いいよ。待ってる。叶うならいつか俺だけを見てくれたら嬉しいけどね。無理強いはしないよ。」
「エッチする?」
「は?」
「体の相性も確かめとかないとね」
「それは今日はいい。また今度二人きりの場所がいい。だめかな?」
「え?俺もう、やる気なんだけど?ほら」
飛弦さんの手を取り猛りに触れさせると飛弦さんは真っ赤になる
「いや…本当に…やめよ?ね?」
「俺のお願い聞いてくれるんじゃないの?」
「そうだけど…今日はだめ…」
「なんだ…俺じゃ起たないんじゃん」
口だけなんだな…俺のこと想ってるなんて…やっぱり俺には朱夏さん…ううん…朱夏さんも俺のこと見てなかったな…悲しいな…
「…俺加減できねぇよ?」
俯いて唇を噛み締めてたら急に声色も口調も知ってるそれじゃないのが降ってきて、ビックリして顔を見ると欲情した目で俺を見る飛弦さんが写る。初めて見た飛弦さんの雄の部分に心拍数が爆発的に上がる。猛る自分をどうにかして欲しい…めちゃくちゃに犯して欲しくてもう一度誘う
「やろ?」
「ダメだ。どうしてもと言うのならばこれから俺の家へ連れていく」
「いいよ。行こ」
我慢できなかった…この人に今抱かれたい…
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