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第73話

瑠樹愛side 「空雅ー」 まだリビングにいた空雅に声を掛ける 「どうしたの?瑠樹愛」 「これから飛弦さん家に行くね。飛弦さんがここじゃ落ち着かないみたい」 「そう?わかった。瑠樹愛の車で行くの?」 「飛弦さんの」 「瑠樹愛の車置いてって良いよ。また明日にでも取りにおいで」 「うん。ありがとう」 「瑠樹愛」 「何?」 「瑠樹愛。僕は瑠樹愛のこと大好きだよ。だから君が心から笑ってる姿がみたいよ。もう無理しなくて良いよ」 「…ばれてた?」 「何年一緒にいたと思ってるの?その笑顔が偽物になったのはもう何年くらいたったのかな?…僕の記憶が正しければ…10年くらいたったよね。あのときは…うん…色々あったもんね。何もしてあげられなくてごめんね」 「空雅が謝るとこないよ?でもね。もう俺自身ももうわかんないんだよね。本当の笑顔がどんなのだったのか。これが普通になっちゃってさ」 「空雅さん」 「何?飛弦さん」 「俺が支えるから待ってて。瑠樹愛くんを癒せるように努力するから」 「…飛弦さん。瑠樹愛のことよろしくお願いします」 空雅が俺のために頭を下げてくれる。忘れてたよ。空雅は俺のこと名前で見たことはなかったね。 「空雅。ありがとう」 「また遊びに来てね。僕は今仕事してないからいつもここにいるから。いつでも会いに来てね」 「うん。じゃあまたね」 「またね」 空雅の家を後にして飛弦さんの家に向かった。車の中では無言だったけど不思議と気まずさはなくて… ずっと飛弦さんの手を握ってた そして部屋に入るともう我慢できなくて飛弦さんを押し倒して跨がって沢山キスをした。そのまま玄関で服を脱ごうと手をかけたけどそれを制止されてそのまま逆に押し倒された。 「瑠樹愛くん。まだだめ。初めてはこんなところではしない」 そういうと俺を抱き上げて寝室に運ばれた。そこからは長くて熱い夜で。こんなに情熱的に抱く人なんて思ってなかったからすっかり溺れてた。 こんなにも満たされる交わりなんて…散々甘い声をあげ続けて気付けば外も明るくなってた。 剣聖さんと朝までヤるなんて日常茶飯事だったけどどこか満たされなくて。それが今満たされた気がした… 「瑠樹愛くん…好きだよ」 「うん」 何度も好きだって囁かれて…それが俺自身に向けられてることが嬉しくて嬉しくて涙は止まらないけどまだどこか迷いがあって… そんな俺に気づいているけど飛弦さんは攻めたりなんかしない。沢山甘えさせてくれた。 だからね。ちゃんと飛弦さんと向き合うから…もう少し待っててね…

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