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第79話

瑠樹愛side 「おはよー!久米」 「おはよ。丹羽」 丹羽は俺の同期で大学から一緒だ。一応元カレである。 「お前もとうとう身を固める気になった?」 「そうだねぇ。」 「あの人飛弦さんでしょ?」 「そうそう。」 「ずりー!あんないい人をー!」 「でしょ?でもさ。俺まだ朱夏さん好きなの」 「あはっ!!それは…気のせい!ねぇ。瑠樹愛」 「ん?」 「俺ねお前のことスゲー好きだった。近付きたくてお前のことあんな風な誘い方したけどさ…間違ってた。俺はお前の家の名前なんてどうでもよかったのにそれがないと話しかけられなかった。臆病者だった。それが間違ってるって気が付いたから別れた。もう一度始めからやり直そうって。でもお前は別れを何でもないように受け入れてそのあとはまたすぐ相手が見つかった。結局それからどんなに頑張ってもお前が俺を見ることはなかったね。俺さお前をずっと見てきたんだよ。だからわかる。白木チーフってさ母親みたいな人じゃん?だからお前のその感情は恐らく親に向けるものと対して変わらない。」 「んもー!酷いなぁ。みんなそんな風に言うんだもん!でも…そうかもしんないね。ねぇ。丹羽。俺はお前のことを恋愛的な意味で好きだって思ったことないよ?」 「知ってる。お前をどんな形でも必要としてくるやつが欲しかっただけでしょ?」 「うん。でもね。飛弦さんと一緒にいるとなんだかこれまで知らなかった感情が生まれた気がしたの。だから。すぐでなくてもいいからさ飛弦さんのこと一番に考えられたらいいなって思ってる。それと。丹羽と付き合ってたあの頃、結構楽しかったよ。好きという感情は丹羽と俺は違ったけどお前といるときはあんまり頑張らないでいられたよ。ありがとうね。気持ちには答えられないけど丹羽なら平気だよ。丹羽ならいい人すぐ見つかっちゃう。でしょ?」 丹羽と俺をチラチラ気にしてみてる人がいたことに気付いてた。あの人はきっと丹羽のことが好き。きっとそんな人が丹羽には沢山いる。丹羽はいい奴だからいい人と巡りあえる。 「丹羽。ありがとうね。これからも友人でいてくれる?」 「酷い奴。いいよ。お前友達少ないだろ」 「せいかーい。よろしくね」 「うん。お前が飛弦さんをパートナーとして紹介してくれる日楽しみにしてるね」 そんな日が早く訪れるといいな…飛弦さんを想い想われて…そんな日が…早く… 「今日もお仕事頑張りますか」 2人で肩を並べて歩く。そしていつもの時間を過ごした。

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