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第88話
剣聖side
朱夏の寝顔を見ていたら俺も気付いたら寝てた。
次に起きたときは夜中で隣に朱夏がいないことに焦る。嫌な予感がしたんだ…
急いで部屋を出て廊下を早足で歩いていると人影が見えた。間違うはず無い。朱夏が知らない男に肩を抱かれていた。
朱夏の姿を見て何があったのか察してしまった…この男が…朱夏を…
一気に怒りは頂点に達した。俺自身への怒りもあった
「朱夏!!」
「せん…ぱ…い」
男を殴り飛ばし朱夏を隠すように抱き締める。朱夏は震えてた…
「てめー!朱夏に何しやがった!!」
もう一発くらいいれてやろうと思い拳を握ったそのとき朱夏が小さく声をあげた
「ちが…先輩…この人助けてくれたの。」
「え?」
「警察の人だよ」
「警察?」
状況が読み込めなくて一瞬フリーズする
「すいません。宇野です」
男は手帳を取り出し俺に向けた
「事情をお話ししたいのですが…後日にしましょうか?」
神妙な顔つきで宇野さんが語りかける。助けられたってことは俺の想像よりもっと酷い目にあったのか?…だったら朱夏を早く甘えさせてやりたい…休ませてやりたい…断ろうと口を開く
「はい。後日に…「いえ…大丈夫です。お話し聞かせてください」
朱夏は俺の声を遮り話をすることを了承していた
「朱夏…」
「大丈夫だよ…行ってくる」
震えてる朱夏を一人でいかせたくない…
「俺も行く」
「でも…」
「俺はこいつのパートナーです。一緒に聞かせてください」
朱夏が安堵の息をはいたのがわかった。やっぱり大丈夫ではなかったのだ
「じゃあ…一緒に聞いてもいいですか?」
安心したように俺に身を預け手を握ってきた。こんなときでも可愛いと思うなんて…俺は最低だ
「わかりました。移動しましょう」
おそらくどこか別の場所。おそらく警察署的な場所へ連れていかれるのだろう。それでは朱夏は休まらない。ダメ元で提案する
「俺たちの部屋ではダメですか?」
少し考えたようだが宇野さんは頷いてくれた
「わかりました。」
宇野さんはどこかに連絡をいれると俺たちについてきた
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