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第106話

久米が自室に戻って行くのを見送り飛弦さんを見詰める 「先程はすみません。しーくんは俺の従兄弟なんです。瑠樹愛くんと同い年で会社経営をしていて俺の店の不動産を管理しているんです。しーくんたまに息抜きってことで昔から良く入ってくれるんだけどとてもできる子なので助かってるんです。朱夏さん。そんなに悲しそうな顔させてしまってすいません。つい話し過ぎてしまって。今日貴方に会いたくて無理言ってここに来ました。瑠樹愛くんと剣さんから愛されている貴方にお会いしたかった。俺は貴方にはなれないけれど瑠樹愛くんだけを愛する覚悟はもう出来ています。だから安心してください。瑠樹愛くんが心配していました。朱夏さんを傷付けたんじゃないかって」 傷付けたのは俺の方なのに… 「大丈夫です。瑠樹愛くんはもう大丈夫ですから。朱夏さん。俺ね、貴方がとても羨ましいです」 「羨ましい?」 どうして?飛弦さんは見た目もそうだけど自分で店を切り盛りしててすごく人気もあるって聞いてる。話してみたけどすごく丁寧だし優しいし…俺のないもの全て持ってるのに… 「俺ねずっと瑠樹愛くんに片想いしてるんです。今もそうです。だから瑠樹愛くんに愛されている貴方が羨ましいです。お会いしてみて実は自信無くしそうでした。貴方はね自分が思っているよりずっとずっと魅力的な…素敵な人です。何があったのかは俺にはわかりません。けれど困難にぶつかっても貴方なら乗り越えていける…長年お客様相手の商売をしてます。ですから自分で言うのもなんですが俺の目は確かです。ねぇ。朱夏さん…笑って?貴方にはきっと笑顔が似合うから。笑顔は周りを癒してくれます。己を強くしてくれます。今は作ったものでもいい。それがいつかもう一度本物に…だから… …あ…でも…笑い続けていれば心が疲れてしまうかもしれませんから…自分が信頼している人、大切な人の前では大声で泣いてくださいね。涙はストレスを軽減させる力を持っているから。…俺は俺なりにこれから瑠樹亜くんに振り向いてもらえるように必死で愛します。って…俺何が言いたかったんでしょう?ごめんなさい。初めてお会いしたのに説教臭くなっちゃって…」 「いいえ。ありがとうございます。笑顔…ですね。そういえばこの数日は沢山は笑えなかったな。得意な分野のはずなんですけどね。」 「また貴方にお会いするときはその憂いた表情も素敵だけれど花のような笑顔みれると嬉しいです」 ちょうどそのとき瑠樹愛が戻ってきた。 「はい!朱夏さん!この家の鍵です。いつでも遊びに来てね。それと前言ってた俺の愛情たっぷりレシピです。気が向いたら使って。後。これ!剣聖さんが貴方に渡せなくてまごまごしてたプレゼントたちだよ。」 「え?」

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