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去っていった背中を見送って先輩に声をかける 「先輩」 「…」 「あの…みんなみてます…」 まだ先輩は俺を抱き締めたまま去っていく後ろ姿をにらんでた 「先輩…あの…目立ってるんで…えと」 「剣聖さんっ!こんな公衆の面前で!!」 「久米。お疲れ様」 「んもう!羨ましい…」 「あの…先輩?」 「ん?あ…わりぃ…」 恥ずかしそうに離れていく。そのあと二人についていって飛弦さんの店にきた 「いらっしゃ…」 「ごめんねぇ。まだオープン前だったのに」 「いいよ。いらっしゃいカウンターでいい?」 「うん!だって飛弦さんに会いに来たんだもん」 「ありがと」 飛弦さんは少し頬を染めた 「あれ?珍しい。ポーカーフェイスな飛弦さんが照れてる」 「からかわないでください。剣さん」 「だって新鮮で。、気を付けなよ。あんな顔みられたら大変だよ?」 「こんな風にするのは瑠樹愛くんだけですよ」 「もぅ…飛弦さんったらぁ。照れる」 久米もなんだか珍しい。やっぱりかわいい 「二人はいつものでいいですか?」 「うん!」 「朱夏さんはお酒だめでしたよね?どんな感じのがいいです?」 「お任せします」 それから暫くして運ばれてきたのはオレンジ色の綺麗なドリンク 「シンデレラです。飲めない人でもこういう場所など楽しんで欲しくて出来たものだそうです。素敵な魔法をあなたへ…」 何だか普通の人が言ったら笑えそうだけど飛弦さんが言うと妙に様になってる。彼目当てで来る理由もわかる気がする 「ありがと」 「飛弦さん…朱夏が照れてる…」 「え?俺説明しただけですけど」 「…この無自覚天然たらし…」 「瑠樹愛くん。俺の心が動くのは君だけだよ」 「…っ…ほらぁ!ほらぁ…もう…好き…」 久米の表情をみていたらなんだかほっとして一口飲んだ 爽やかな味が口のなかで広がって本当に魔法にかかったみたい。 「いかがですか?」 「美味しいです」 「よかった」 笑顔もとても魅力的な人… 「ちょっとちょっと!!朱夏さん!?飛弦さんに見惚れすぎ。やめてよね」 「ごめんごめん。だって綺麗なんだもん」 「それはもちろん否定しませんけどね」 一つ一つのしぐさに見惚れる度久米に叱られながら時を過ごしていた。 暫くするとお客さんがどんどん増えてくる。たくさんの人が今日の相手を見つけるためギラギラしてるように見えた。 「剣さーん!」 こうやって先輩にしなだれかかる男の人はもう何人目かな? やっぱり先輩は人気者だ。みんな小柄で可愛らしい人ばかり…ともいえないか…さっきは先輩より難いのいい人が口説いてたっけ。先輩の好みとは?俺とみんな似ても似つかないけど俺と重ねてた?どこが?わからない 「朱夏さーん」 「また…なにかきた」 「もしもーし」 「ってかさ…もっと…拒否しても良くない?…」 「しゅっかさーん!!」 「んあ?あ?」 「ちょっと!綺麗な顔が台無しになってます。怖い顔。いいなぁ。剣聖さんそんなに嫉妬されて」 「え?嫉妬?俺が?」 「いやいや。無自覚っすか?してますよ。してまーす」

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